グラウンドルール

グラウンドルールの概要

グラウンドルールは、野球において試合が行われる各競技場で定められる特別な規則です。これらのルールは、一般規則に加えて、各場面特有の条件や構造に基づく独自の規則を含んでいます。具体的には、競技場の設計や場所によって異なるため、一律のルールを設定することが難しいのです。

特徴と目的

野球は、他の多くのスポーツと異なり、競技区域が明確に区切られていません。例えば、プレーヤーが外野フェンスやファウルゾーンの外にいる観客席に飛球を捕るために手を伸ばすことが許可されているのがこのゲームの特色です。このため、境界を定めるフェンスの存在やその位置、さらにはブルペンやダッグアウトなどの構造的な違いが試合の運営に影響を与えます。したがって、観客と選手の安全を確保し、試合の興奮を損なわないために、各競技場固有のグラウンドルールが必要になるのです。

通例として、ホームチームがその試合のグラウンドルールを策定し、相手チームがそれに同意することで、その試合におけるルールとして成立します。

メジャーリーグの実例

アメリカのメジャーリーグでは、歴史的な競技場も数多く存在し、それぞれが独特なグラウンドルールを持っています。例えば、ボストンのフェンウェイ・パークでは、レフトフェンスのスコアボードを打球が越えた場合、ボールがどのようにバウンドしたかに関わらず、二塁打とされます。また、シカゴのリグレー・フィールドでは、打球が外野フェンスに生えたツタに引っかかるとそれも二塁打と見なされます。

このように、古い競技場ではその土地特有のルールを維持するために、現行の規則に適合させるための改修が難しい事例もあります。

日本のグラウンドルール

日本では軟式野球が一般的ですが、それに伴い硬式野球も行われています。周りにフェンスがない空き地で試合が行われることが多いため、特定の状況を考慮したグラウンドルールが必要です。例えば、ダッグアウトとの距離が短い場合は悪送球による進塁権の付与が問題になるため、安全進塁権を一つに制限するルールが適用されることが普通です。また、外野フェアゾーンにフェンスがないときには、目印を設けて仮想的なフェンスを設定し、進塁権を計算します。このように、日本の競技場でも選手の安全を確保するための工夫がなされています。

ドーム球場のルール

ドーム球場においては、打球が天井に当たったときの扱いもグラウンドルールに含まれます。例えば、ドーム球場の特有のルールに基づいて、天井に当たった球はどのようにカウントされるか、リアルタイムで判断する必要があります。

その他の規則

打球がフェア地域でバウンドした後に外野フェンスを越えた場合には、打者と走者に2つの安全進塁権が付与されます。この進塁権は、日本では和製英語の「エンタイトルツーベース」として知られていますが、アメリカでは「グラウンドルールダブル」と呼ばれています。これらのルールは公式の野球規則にも記載されていますが、個別のグラウンドルールそのものとは異なります。

このように、グラウンドルールは各競技場の特性を反映しながら、試合運営を円滑に行うための重要な役割を果たしています。

もう一度検索