飛球

飛球（ひきゅう）についての解説

定義と種類

飛球とは、野球やソフトボール、クリケットなどで、打者が空中に高く打ち上げた打球のことであり、一般的には「フライ」とも呼ばれます。打球の軌道によって分類されることがあり、低い弾道を持ちほぼ一直線に飛ぶ打球は「ライナー」や「ラインドライブ」と呼ばれ、さらに打球が高く上がると「ポップフライ」とも称されることがあります。これらの呼称の違いは打球の性質によるもので、ルールの上では特にフライとライナーとの間に違いはありませんが、実況などでは瞬時に区別できないことがあります。この場合、「ハーフライナー」などの用語も用いられます。

捕球とアウトの条件

飛球が地面に落下する前に野手が正規にキャッチすれば、打者はアウトとなります。この際、打球の方向や捕球地点がフェア地域かファウル地域かにかかわらず、アウトは確定します。また、走者は投球の際に占有していた塁に戻り、再びその塁に触れなければなりません。これが「リタッチの義務」と呼ばれ、走者がリタッチを行う前に野手に触球された場合、その走者もアウトになります。しかし、リタッチをしてしまえば、その後の塁への進塁は問題ありません。

タッグアップ

走者が打者の飛球を捕球されるまで塁にとどまり、捕球後に次の塁に進む行為は「タッグアップ」と呼ばれます。この行為は日本では特に「タッチアップ」とも表現されることがあります。ただし、走者がリタッチを果たしていない場合は、アピールプレイが必要です。野手側がアピールをしない限り、審判はアウトを宣告しないため、野手のアピールがないと走者はそのまま進塁できてしまいます。

捕球に基づく記録

飛球が捕球された際の記録は、具体的に処理した野手のポジションによってさまざまに表現されます。例えば、投手が捕球した場合は「投飛」、一塁手であれば「一飛」、外野手が捕球した場合はそれぞれ「左飛」、「中飛」、「右飛」と記録されます。さらに、ファウル地域で捕球された際には特に「ファウルフライ」と称され、ライナーの場合も同様に、名称が変わることがありますが、本質的なルールは変わりません。

珍しい事例

例えば、1965年には「キャッチャーライナー」と呼ばれるユニークな記録がありました。これは、打者の打球が投手に当たり、再び捕手が直接捕球するというもので、非常に稀な事例とされています。また、2009年4月には、オリックス対楽天の試合で、両チームが飛球なしで試合を進める珍しいケースもありました。この試合では、投手が三振やゴロにより完全に抑え込み、注目を集めました。

まとめ

飛球は野球・ソフトボールの試合において重要な要素であり、様々なルールや呼称が存在します。これらを理解することで、観戦の楽しさが増すでしょう。さらなる詳細は、ルールブックや専門書を参照することをおすすめします。

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