グラント・ハッティング

グラント・ハッティング

グラント・ハッティング（Grant Hattingh）は、1990年10月3日に南アフリカのヨハネスブルグで生まれたプロラグビー選手です。身長201cm、体重115kgという恵まれた体格を持ち、主にフォワード第2列のロック（LO）、または第3列のフランカー（FL）としてプレーしました。

幼い頃からラグビーに親しみ、競技を始めたのは友達と一緒に楽しむためでした。彼のニックネームはそのまま「グラント」として知られています。

南アフリカ国内では、学生時代にステレンボッシュ大学で才能を磨きました。その後、スーパーラグビーに参加する国内のトップチームであるライオンズやブルズでプロキャリアを積み重ね、経験を積みました。

日本でのキャリア

2015年、グラント・ハッティングは日本のラグビー界へと活躍の場を移しました。当時のトップリーグに所属していたクボタスピアーズ（現在のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ）に加入したのです。

日本での公式戦デビューは、2015年11月14日に行われたジャパンラグビートップリーグの2015-2016シーズン開幕節、東芝ブレイブルーパス（現在の東芝ブレイブルーパス東京）との試合でした。この記念すべき初戦に先発メンバーとして出場し、日本のファンにその存在を知らしめました。

クボタスピアーズでのプレーは、彼の日本でのキャリアの重要な一歩となりました。長身を生かしたラインアウトでの強さや、機動力のあるフランカーとしての働きは、チームに貢献しました。

サンウルブズでの経験

国際的な舞台での経験も積みました。2017年12月には、スーパーラグビーに参加していた日本チーム、サンウルブズの2018年シーズン向けスコッドに選出されました。

サンウルブズの一員として、世界トップクラスの選手たちと対戦する中で、自身のスキルとフィジカルをさらに向上させる機会を得ました。この経験は、彼の選手としての幅を広げることにつながりました。

神戸製鋼への移籍とその後

2018年には、クボタスピアーズを離れ、同じくトップリーグの強豪である神戸製鋼コベルコスティーラーズ（現在のコベルコ神戸スティーラーズ）へ移籍しました。神戸製鋼では、チームの中心選手の一人として活躍し、そのパワフルなプレーでチームを支えました。

ロックとしてもフランカーとしても高いレベルでプレーできる汎用性と、セットプレーや密集での献身的な働きは、チームにとって貴重な存在でした。

神戸製鋼で数シーズンを過ごした後、2021年にチームを退団しました。日本でのキャリアを通じて、グラント・ハッティングは南アフリカ仕込みのフィジカルとラグビースキルで、日本のラグビーファンに強い印象を残しました。特にラインアウトでの存在感は、彼の大きな武器の一つでした。

彼のプレーは、ロックとしてスクラムの推進力を担い、ラインアウトでは主要なターゲットとなるだけでなく、フランカーとしてオープンサイドやブラインドサイドで運動量豊富に動き回り、ブレイクダウンでのボール争奪やタックルで貢献するといった、複数の役割をこなすことができる器用さも兼ね備えていました。

ラグビーを「友達と楽しく遊ぶ」ことから始め、世界のトップリーグや日本のトップリーグで活躍したグラント・ハッティングは、多くのファンに愛される選手でした。

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