グランドエキノクス

グランドエキノクス：トルコ競馬史に輝く三冠馬

グランドエキノクス（Grand Ekinoks）は、2001年にトルコ競馬史上8頭目の三冠を達成し、国内外で活躍した競走馬です。その類まれな才能と実績は、トルコ競馬史に燦然と輝いています。

生い立ちとデビューまで

1998年、グランドエキノクスはヤマン・ジンガル氏によって生産されました。父はアメリカ産のバーナト、母はトルコ在来牝系のバイオレントガールという血統です。ジンガル氏は以前にもバーナトとバイオレントガールの配合を試みましたが、生まれた仔馬は事故で亡くなっていました。そのため、グランドエキノクスには特別な思い入れがあったと言われています。

しかし、グランドエキノクスは先天的に腰の骨格が曲がっており、腰が長くくびれた馬体をしていました。馬主のヴォルカン・エキンジ氏は、外国産馬とともに育成するパートナーとしてグランドエキノクスを購入しましたが、その馬体の異常から周囲からは疑問の声も上がっていました。育成中も体が硬く、扱いに苦労したそうです。

3歳時の活躍

2000年9月にデビューしたグランドエキノクスは、4戦目で初勝利を挙げます。そして、3歳になった2001年、その才能が一気に開花します。G1エルケック・タイ・デネメ、G2サイト・アクソン賞と連勝し、迎えたG1ガジ賞（トルコダービー）では、2馬身差をつけて圧勝しました。

三冠最終戦のG1アンカラ賞も制し、見事三冠を達成。さらに、G1トルコジョッキークラブ賞では古馬を破り、その強さを証明しました。この年のグランドエキノクスは、10戦7勝2着3回と一度も連を外すことなくシーズンを終え、トルコ最強馬としての地位を確立しました。

海外への挑戦

2003年、グランドエキノクスはトルコの生産・調教馬として初めて、パートI国であるアラブ首長国連邦のドバイに遠征しました。G3ドバイシティーオブゴールドで2着に入り、G1ドバイシーマクラシックへの出走権を獲得。レースでは、レコード勝ちしたスラマニの5着と健闘しました。

2004年にも再びドバイシーマクラシックに挑戦しましたが、7着に終わりました。その後も国内外のレースに出走し、G1トルコジョッキークラブ賞を制するなど活躍しましたが、2006年に8歳で引退しました。

引退後

引退後は種牡馬となり、46頭の産駒を送り出しました。しかし、オープン競走の勝ち馬は1頭にとどまり、種牡馬としては目立った実績を残すことはできませんでした。2019年7月3日、21歳でこの世を去りました。

馬名の由来と血統

馬名の「エキノクス（ekinoks）」は、春分・秋分を意味するトルコ語で、日本の競走馬イクイノックスと同じ語源です。母Violent Girlは、トルコ在来牝系に属しています。

グランドエキノクスは、腰の曲がった馬体というハンデを乗り越え、トルコ競馬史に名を刻んだ名馬です。その勇姿は、今も多くの競馬ファンの記憶に残っています。

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