グランドシチー

グランドシチー：ダートの強豪、末脚の貴公子

2007年4月19日生まれの競走馬、グランドシチー。その名を冠した通り、壮大で雄大な走りで日本のダート界を席巻した馬の一頭です。本記事では、グランドシチーの競走生活から引退後の生活までを詳しく解説します。

輝かしいデビューとダートへの転向

2010年4月、福島競馬場で芝2000mの3歳未勝利戦でデビュー。しかし結果は11着と大敗を喫します。その後、ダートに転向すると、その才能が開花。見事初勝利を挙げ、才能の片鱗を見せつけました。さらに、同日には半兄のヘリオスシチーも優勝という、兄弟同時優勝という快挙も達成しています。

4歳シーズン：オープン入りへの階段

4歳シーズンは、幾多のレースを経験。4月の仲春特別では異常歩様により競走中止というアクシデントに見舞われましたが、その後はコンスタントにレースに出走。夏の降級を挟みながらも条件クラスで4勝を挙げ、年末のフェアウェルステークスを制し、オープン入りを果たしました。

5歳シーズン：重賞挑戦と連勝街道

5歳シーズンは、重賞初挑戦となる平安ステークスからスタート。しかし、期待に応えることができず14着と大敗。それでもめげずに挑み続けたマーキュリーカップでは2着と健闘し、重賞で初連対を果たします。続くエルムステークスでは3着と好成績を残し、その後もオープン特別を連勝。特にフェアウェルステークスでは、後のダート10冠馬ホッコータルマエを中山競馬場の坂で捲り上げて勝利し、シーズンを終えました。

6歳シーズン：重賞初制覇とGI挑戦

6歳シーズンは、東海ステークスで5着とまずまずのスタートを切ります。そして迎えたマーチステークスで、中団から鋭い末脚を繰り出し、バーディバーディをハナ差かわして、悲願の重賞初優勝を飾りました。その後も安定した成績を残し、6戦連続で掲示板入り。年末には、GIレースであるジャパンカップダートに挑戦。15番人気と低評価でしたが、後方から鋭く伸び上がり6着と健闘しました。この5歳シーズン後半から6歳秋のみやこステークスまで、実に15戦連続で掲示板を外さなかったことから、ダート界の強豪としての実力を証明しました。特徴的なのはその戦法で、48戦中26戦で上がり3ハロン3番手以内という成績からも分かるように、末脚を生かした豪快な差しが持ち味でした。

7歳～9歳シーズン：現役生活の幕切れ

7歳シーズンは、東海ステークスで2着に入るも、フェブラリーステークスでは11着と大敗。その後も勝利には届きませんでした。8歳シーズンも東海ステークスで2着と好走したものの、以降は低迷。そして9歳シーズン、最後の入賞は東海ステークス5着。7月のマーキュリーカップを最後に、競走馬としての現役生活に幕を閉じました。

引退後：第二の人生

引退後は、浦河町のJRA日高育成牧場で乗馬となり、現在は新冠町のにいかっぷホロシリ乗馬クラブで繋養されています。

血統

グランドシチーの血統背景には、数々の名馬が名を連ねています。3代母には1972年の優駿牝馬優勝馬タケフブキ、半弟には1973年東京優駿・菊花賞、1974年天皇賞（春）優勝馬のタケホープといった、錚々たるメンバーがいます。さらに、その血統は現代の名馬にも繋がっています。

まとめ

グランドシチーは、決して華々しいデビューとはならなかったものの、ダートへの転向を機に才能を開花させました。持ち前の末脚を武器に、数々のレースで活躍。重賞初制覇という目標を達成し、GIレースにも挑戦するなど、その競走馬としてのキャリアは、多くのファンに感動と興奮を与えました。引退後も乗馬として第二の人生を送り、その輝かしい功績は、長く人々の記憶に残ることでしょう。

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