グランド郡 (ユタ州)

グランド郡の概要

グランド郡（Grand County）は、アメリカ合衆国ユタ州の東部に広がる地域で、豊かな自然と独自の歴史を持っています。2010年の国勢調査では、人口が9,225人と報告され、2000年からは8.7%の増加を見せました。この郡の中心地はモアブで、人口5,046人を抱えており、ここが最も人が集まる町でもあります。グランド郡は1890年に設立され、その名前は郡内のグランド川（現在のコロラド川）にちなんで名付けられました。

地理

グランド郡の面積は3,694平方マイル（約9,567.4 km²）で、その大部分は陸地です。実際、陸地は3,682平方マイル（約9,536.3 km²）、水域はわずか13平方マイル（約33.7 km²）ということからもお分かりの通り、主に砂漠や崖、台地形成の地形が広がっています。郡は西側をグリーン川、東側をコロラド州と接しており、南東部にはコロラド川が流れています。主要な都市であるモアブの他には、ほとんど町が存在しないことも特徴です。

また、グランド郡にはアーチーズ国立公園やキャニオンランズ国立公園があり、これらの自然保護区は観光名所としても有名です。特にアーチーズ国立公園は、その独特な岩の形状や美しい風景が訪れる人々を魅了しています。

隣接する郡

グランド郡はいくつかの郡に接しています。具体的には、北にはユインタ郡、北東にはコロラド州のガーフィールド郡、東にはメサ郡、南にはサンフアン郡、西にはエメリー郡、そして北西にはカーボン郡があります。これらの隣接郡も多様な自然景観を持ち、訪れる価値があります。

国立保護地域

グランド郡には、いくつかの国立公園や保護地域が存在します。主なものとしては、アーチーズ国立公園、キャニオンランズ国立公園の一部、マンタイ・ラ・サル国立の森やマッキニス・キャニオンズ国立保存地域の一部があります。これらの地域は、ハイキングや自然観察にも最適で、多くの野生動物や珍しい植物が観察できます。

人口動態と政治

2000年の国勢調査によると、グランド郡は多民族から成る地域であり、近年では政治的にも注目されています。ユタ州の他の地域が共和党支持者が多いのに対して、グランド郡では二大政党の攻防が激化しています。1992年の大統領選挙では民主党のビル・クリントンが勝利し、その後1996年には共和党のボブ・ドールに敗北しました。その後2000年と2004年にはジョージ・W・ブッシュが勝利を収めましたが、州知事選挙では民主党候補が勝つなど、複雑な政治状況が見受けられます。

2008年の選挙では、バラク・オバマがジョン・マケインに勝利し、ユタ州内で3郡の一つとして注目を集めました。また、モアブ周辺にはアーチーズ国立公園やキャニオンランズ国立公園があるため、環境問題に対する意識が高い市民も多く、環境活動が盛んに行われています。

主な都市と町

グランド郡には、いくつかの町が点在しています。主要な町はモアブであり、この町が郡庁所在地でもあります。他にはキャッスルバレー、シスコ（ゴーストタウン）、ブレンデル、トンプソンスプリングスの町があります。

古生物学

また、グランド郡は古生物学的にも重要な地域です。デンバー自然史博物館が、シーダー山麓で恐竜化石の発掘を行い、成獣や子供の恐竜の化石が見つかっています。特に「ベネノソラス」種に属する標本が発見されており、学術的にも貴重な資源とされています。

このように、グランド郡は地理的な美しさと豊かな歴史が共存する場所であり、訪れる人々に多様な体験を提供しています。

もう一度検索