グリゴリー・ヤブリンスキー

グリゴリー・アレクセーエヴィチ・ヤヴリンスキー（1952年4月10日 - ）は、ロシアの政治家であり、経済学者です。ロシア連邦議会下院議員を務め、政治ブロック「ヤブロコ」の創設者の一人として知られています。

生い立ちと初期のキャリア

ヤヴリンスキーは、1952年にソビエト連邦ウクライナ・ソビエト社会主義共和国のリヴォフ（現在のリヴィウ）で生まれました。1968年に学校を退学後、リヴォフ郵便局で配送係として働き始めました。その後、ラドゥガ・ガラス会社で電気工見習いなどを経験しながら夜間学校に通い、プレハーノフ記念モスクワ国民経済大学に入学しました。

大学時代にはボクシングに打ち込み、ウクライナジュニアチャンピオンに2度輝いています。1973年に同大学を卒業後、1976年には大学院を修了しました。

大学院修了後、ヤヴリンスキーはモスクワの全ソ石炭産業研究所や労働研究所で研究員として勤務しました。1984年からはソ連労働・社会問題国家委員会に入り、労働・社会問題部副部長などの役職を歴任しました。1985年から1991年までソビエト連邦共産党に所属し、管理改善部副部長、社会発展・人口局長などを務めました。

経済改革への関与

1989年、ヤヴリンスキーはソ連副首相兼国家経済改革委員会議長のレオニード・アバルキンによって経済改革委員会に迎えられ、経済改革総括部長に抜擢されました。ソ連経済を市場経済に移行させるための「500日計画」の作成に理論指導者として参加しました。この計画は、ソ連経済の抜本的な改革を目指したものでしたが、実現には至りませんでした。

1990年8月にはロシア共和国の副首相に就任し、経済改革委員会議長も兼務しましたが、同年12月には当局の無策に抗議して辞任しました。その後、ロシア経済政治研究センターを創設し、経済改革に関する研究を続けました。

1991年にはロシア共和国首相経済顧問として、イワン・シラーエフ首相の諮問に応じました。ソ連8月クーデター後には、シラーエフとともに新設されたソ連国民経済管理委員会の副委員長（副首相に相当）に就任し、経済改革に取り組みました。クーデターの前後には、アメリカのハーバード大学の経済学者と共同で「グランド・バーゲン計画」を作成しました。カザフ・ソビエト社会主義共和国最高経済評議会委員、CIS経済同盟条約の作成、ニジニ・ノヴゴロド州の地域経済改革計画などにも関与しました。

政治家としての活動

1993年12月、ヤヴリンスキーは政治ブロック「ヤヴリンスキー・ボールディエフ・ルキン・ブロック」（後にヤブロコ）を結成し、下院国家会議選挙に当選しました。その後、1995年、1999年にも再選され、下院議員を務めました。

1996年と2000年のロシア大統領選挙にも立候補し、それぞれ7.34%と5.79%の得票率を得ました。しかし、当選には至りませんでした。

ヤヴリンスキーは一貫してエリツィン政権およびプーチン政権に対して、自由主義改革派の野党の立場を維持しています。また、チェチェン戦争には強く反対しました。

2003年の下院選挙では、ヤブロコは比例区で5%の議席獲得ラインを突破できず、議席を失いました。2007年の下院選挙でも議席を獲得できませんでした。

2008年6月には、ヤブロコの党首を辞任しましたが、党執行部には留まりました。

現在

ヤヴリンスキーは現在も政治活動を続けており、ロシアの民主主義と自由主義の発展のために活動しています。彼の経済改革への貢献と、一貫した政治姿勢は、ロシア国内外で高く評価されています。

関連項目

ヤブロコ

外部リンク

（[ロシア]]語）[ヤヴリンスキー公式ホームページ)
（英語）ヤヴリンスキー公式ホームページ英語版)
グリゴリー・ヤブリンスキー - C-SPAN
グリゴリー・ヤブリンスキー - Charlie Rose
図書館にあるグリゴリー・ヤブリンスキーに関係する蔵書一覧 - WorldCatカタログ
グリゴリー・ヤブリンスキー - IMDb
"グリゴリー・ヤブリンスキーの関連記事". ニューヨーク・タイムズ

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