ヤブロコ

ロシア統一民主党「ヤブロコ」

ロシア統一民主党「ヤブロコ」（Росси́йская объединённая демократи́ческая па́ртия «Я́блоко»）は、ロシアにおける自由主義政党です。市場経済の改革、民主主義、人権の尊重を掲げ、欧米諸国との関係強化を志向しています。

基本政策と特徴

ヤブロコは、社会保障を重視する立場を取り、エリツィン政権およびプーチン政権に対して批判的な姿勢を貫いてきました。リベラルな立場の中でも左派寄りの社会自由主義的傾向を持つとされ、主要政党の中で唯一、チェチェン戦争に反対したことで知られています。しかし、長年にわたり野党の立場に甘んじ、支持者の減少に直面しています。プーチン政権の中途からは、その福祉政策の一部を支持する動きも見られましたが、ロシア石油会社ユコス社のホドルコフスキー社長からの資金提供を受けていたことが発覚し、オリガルヒに不満を持つ国民からの支持を大きく失いました。

歴史

党の創立当初は、「ヤブリンスキー・ボルドィレフ・ルキン・ブロック」という名称でした。「ヤブロコ」はロシア語で「りんご」を意味し、創立者のグリゴリー・ヤブリンスキー、ユーリ・ボルドィレフ、ウラジーミル・ルキンの頭文字に「コ」を付けたものです。グリゴリー・ヤブリンスキーが初代党首に就任し、ロシア大統領選挙にも2度立候補するなど、党の主導的な役割を担いました。

右派連合との違いは、社会保障を重視する点、そしてエリツィン、プーチン両政権への批判的な立場にあります。また、主要政党の中で唯一、チェチェン戦争に反対してきました。そのため、長らく野党という立場から抜け出せず、支持者は年々減少傾向にありました。プーチン政権の中途からはその福祉政策の一部を支持するようにもなりましたが、ホドルコフスキー社長からの資金提供を受けていたことが発覚し、オリガルヒに対する国民の不満から支持を失いました。

2003年の下院選挙では大敗し、ほぼ全議席を失いました。その後、右派連合との協力関係を強め、議席復活を目指していますが、2007年の下院選挙でも得票率は低迷し、議席獲得に必要な得票率7%を確保できませんでした。

西ヨーロッパ型の中道左派的指向性から社会主義インターナショナルに接近した時期もありましたが、最終的には自由主義インターナショナルに加盟しました。

2008年6月には、ヤブリンスキーが党首を辞任し、後任にはセルゲイ・ミトロヒンが選出されました。

2011年の下院選挙では、前回よりも得票数を伸ばしたものの、議席獲得には至りませんでした。

ウクライナ侵攻への反対

2022年2月13日からは、ウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵攻に反対する署名をインターネット上で集めています。しかし、ロシア政府による妨害のためか、ウェブサイトへのアクセスが断続的に困難な状況となっています。ヤブロコは公式ツイッターで、2月25日時点で6万人以上が署名したと発表し、映画監督のアレクサンドル・ソクーロフも署名したと述べています。また、蔡英文総統率いる台湾の民主進歩党や、ジャスティン・トルドー首相率いるカナダ自由党が加盟する自由主義インターナショナルの公式ツイッターでも、ヤブロコの反戦キャンペーンが取り上げられています。

その後、このウェブサイトは「2022年連邦法第32-FZ号」（軍事検閲法）によって改正された連邦刑法および刑事訴訟法に基づき、当局の検閲により、戦争を表すロシア語の「ВОЙНЕ」という言葉が「**」と伏せ字に変更されました。

現状

国政レベルでは議席を持っていませんが、地方議会には計12議席を保有しています。

関連情報

Нет войне! - ロシアにおける反戦運動のスローガン。「戦争反対」の意。
ロシアの政党

外部リンク

ヤブロコ公式ホームページ（英語）
* Партия ЯБЛОКО (@yabloko) - X（旧Twitter） （ロシア語）

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