グリンダ・チャーダ

グリンダル・チャッダーは、1960年1月10日にケニアのナイロビで、インド人の両親のもとに生まれました。幼少期をロンドンのサウスオールというインド人街で過ごし、多文化が混ざり合う環境で育ちました。彼女の作品には、この生い立ちが色濃く反映されています。

チャッダーは、BBCラジオのレポーターとしてキャリアをスタートさせました。その後、BBCでドキュメンタリーを制作するようになり、映像の世界に足を踏み入れました。ドキュメンタリー制作で培った経験を活かし、商業映画の世界へ進出すると、瞬く間にその才能を開花させました。

彼女の代表作として知られる『ベッカムに恋して』は、サッカーに情熱を燃やす少女の姿を描いた作品で、国際的に高い評価を受けました。この作品は、文化やジェンダーといったテーマを扱いながらも、エンターテイメントとしても楽しめる内容となっており、多くの観客を魅了しました。また、ジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見』をインドを舞台にリメイクした『Bride & Prejudice』でも、その手腕を発揮し、国際的な注目を集めました。

2006年には、長年の映画界への貢献が認められ、大英帝国勲章（OBE）を授与されました。これは、彼女の映画監督としての功績だけでなく、イギリス社会における文化的な貢献も評価されたことを示しています。2007年には人気テレビシリーズ『ダラス』の映画化企画に携わっていましたが、後に降板したとされています。

チャッダーは、日系アメリカ人の映画プロデューサー、ポール・マエダ・バージェスと結婚しており、2007年には双子のロナクとクミコを出産しています。家族との時間を大切にしながらも、精力的に映画制作に取り組んでいます。

主な監督作品には、『ベッカムに恋して』（2002年）、オムニバス映画『パリ、ジュテーム』（2006年）、『ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日|ジョージアの日記_ゆーうつでキラキラな毎日』（2008年）、『英国総督 最後の家』（2017年）、そして『カセットテープ・ダイアリーズ』（2019年）などがあります。特に『カセットテープ・ダイアリーズ』では、監督だけでなく製作と脚本も兼任しており、彼女の多才さを示しています。

彼女の作品は、多文化社会におけるアイデンティティやジェンダーの問題を扱いながらも、ユーモアと温かさに満ちています。彼女の視点は、多様な文化が共存する現代社会において、重要なメッセージを伝えており、今後もその活躍が期待されています。

参考情報：
グリンダ・チャーダ - allcinema
グリンダ・チャーダ - KINENOTE
* Gurinder Chadha - IMDb（英語）

もう一度検索