グリーンバーディー

グリーンバーディーは、ニュージーランドで生産された香港の競走馬である。その名は、環境緑化運動に関心を持つ馬主による冠名「グリーン」と、父馬名「Catbird（ネコマネドリ）」に由来する「バーディー」から名付けられた。

ニュージーランドのワカヌイファームで誕生したグリーンバーディーは、セリ市で高額で落札され、2006年にデビュー。ニュージーランドで7戦2勝の成績を残した後、香港へと移籍した。

香港での競走生活は順風満帆ではなかった。ローカルグレード競走で2勝を挙げるなど能力の高さを示す一方で、G1競走では勝利には届かず、惜敗が続いた。しかし、転機は2010年5月に訪れた。香港移籍後初の海外挑戦となるクリスフライヤー国際スプリントで、レース直前の放馬というアクシデントを乗り越え、地元シンガポールの実力馬ロケットマンをクビ差で破り、国際G1競走を制覇したのである。この勝利は、2009/2010年シーズンの最高の締めくくりとなった。

グリーンバーディーの活躍は香港にとどまらなかった。G1優勝馬となったことで香港での出走レースが限られたことから、陣営は2010/2011年シーズンの緒戦として、日本のセントウルステークスへの出走を決めた。前走でロケットマンを下した実績から、国際的な評価は高いものがあり、キンシャサノキセキよりも上で評価されていた。セントウルステークスでは2着と好走し、スプリンターズステークスへの出走権を得た。

しかし、スプリンターズステークスでは1番人気に支持されながらも、レース展開に泣いた。最内枠からのスタートで、終始後方でモマれ、伸び脚を十分に発揮することができず7着に敗れた。レース前に陣営が懸念していた「直線で前がふさがる」という事態が現実となり、期待を裏切る結果となった。

帰国後も現役を続けたグリーンバーディーは、2011年の高松宮記念への出走を予定していたが、東日本大震災の影響で辞退。9月に再来日し、前年と同様のローテーションで2走したものの、前年ほどの活躍はできず、評価を落としてしまう。そして、12月の香港スプリントに出走するも11着に敗れ、このレースを最後に現役を引退した。

グリーンバーディーの競走生活は、華々しい勝利と悔しい敗北、そして時代の波乱を乗り越えようとする努力の物語であった。国際G1競走制覇という輝かしい実績を残した一方で、日本の重賞競走では思うような結果を残すことができず、ピークを過ぎた姿も垣間見えた。その短い競走生活は、競走馬とその関係者たちの努力、そして時代の流れ、様々な要素が複雑に絡み合ったドラマであったと言えるだろう。その功績は、関係者の記憶の中に、そして競走馬の歴史の中に刻まれた。

彼の競走成績、血統、そして関係者からのコメントなどは、netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post、香港ジョッキークラブなどのサイトで確認することができる。

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