グリーンビル (原子力潜水艦)

グリーンビル (USS Greeneville, SSN-772)

グリーンビル（USS Greeneville, SSN-772）は、アメリカ海軍に属するロサンゼルス級原子力潜水艦の61番艦です。この艦は、テネシー州グリーンビルにちなんで名付けられました。以下に、艦の歴史や重大な事件について詳しく説明します。

艦歴

グリーンビルの建造契約は、1988年12月14日にニューポート・ニューズ造船所にて結ばれました。その後、1992年2月28日に着工し、1994年9月17日にはティッパー・ゴアの後援を受けて進水を果たしました。最終的に、艦は1996年2月16日にデュアン・B・ハッチ初代艦長のもとで就役しました。

重大な事件

えひめ丸事故

2001年2月9日、グリーンビルはハワイ沖での巡航中に、戦艦ミズーリ保存会の関係者を接待する目的で出航しました。その際、緊急にメイン・バラストタンクをブローし、急速浮上を行いました。

現地時間の午後1時50分頃、グリーンビルは愛媛県立宇和島水産高等学校の訓練船である「えひめ丸」と衝突しました。この事故により、えひめ丸のエンジンルームが切断され、同艦は約10分で沈没してしまいました。犠牲者は35名の実習生および乗員のうち、4人の高校生を含む9名の行方不明者を出しました。

この事故の原因として、艦長であるスコット・ワドル海軍中佐が同乗していた民間人を操舵席に座らせていたことが指摘され、結果として衝突の責任を問われました。しかし、彼に対しては軽微な処分のみが下され、事故後に海軍から退役しました。

サイパン入港時の事故

2001年8月27日、グリーンビルはサイパン島のドックに入港を試みた際に、接触事故を起こしました。この事故により、艦の舵や船外機、さらには船体下部に損傷を受けましたが、接触した物体の正体は不明です。

輸送艦との衝突

さらに、2002年1月27日には、オマーン沖でオースティン級ドック型輸送揚陸艦「オグデン」と衝突しました。この事故では、オグデンの燃料タンクに5×18インチの穴が開き、数千ガロンの燃料が流出することとなりましたが、両艦はその後も自力で航行を続けました。

まとめ

グリーンビルは、数々の事件に直面しながらも、その任務を果たしてきました。重要な事故を経て、艦の運用や安全性についての問題が浮き彫りになることもありますが、原子力潜水艦としての役割を今日まで果たしてきたことは間違いありません。今後も彼の艦がどのような歴史を刻んでいくのか、引き続き注目が集まります。

もう一度検索