グルバングル・ベルディムハメドフ

グルバングル・ベルディムハメドフについて

グルバングル・マリクグルイェヴィチ・ベルディムハメドフ（トルクメン語: Gurbanguly Mälikgulyýewiç Berdimuhammedow）は1957年6月29日にソビエト連邦トルクメン・ソビエト社会主義共和国のアハル州ババラプで生まれました。彼はトルクメン州立医科大学で学び、1979年に卒業後、歯科医師としてキャリアをスタートしました。その後、初代大統領サパルムラト・ニヤゾフの政権下で副首相に就任し、2006年にニヤゾフ大統領が死去した際には、国家安全保障理事会から大統領代行に任命されました。

2007年2月11日に行われた大統領選挙で圧倒的な89.23％の得票を得て、第2代大統領として昇進し、同年14日に正式にその地位を確立しました。そして、以前のニヤゾフ政権での党名を引き継ぎ、民主党の議長にもなりました。彼は脱ニヤゾフ政策を推進し、国民の権利と自由の拡充を試みました。特に2008年以降、高齢者向け年金の復活や病院の再開、娯楽の解禁などの改革が進められました。

2012年の再選では97％近い支持を集め、その後も国家の発展を目指した改革を続けました。例えば、エネルギー・工業大臣の解任や憲法の改正による大統領任期の延長が行われ、これには終身大統領への布石との見方もあります。彼の政策の背景には、ニヤゾフ政権の下での国家機構の人材不足や、国際社会との孤立を回避する狙いがあったと考えられています。

彼はトルクメニスタンの資源を利用した外交政策を展開し、特に天然ガスの豊富さを利用した国際的な関係づくりに尽力しました。2017年には圧倒的な得票を得て再選を果たしながらも、国内外からの批判も浴びる中、個人崇拝の要素を残す形で政権を維持しました。

2022年、彼は若い指導者に権力を移譲する意向を示し、長男のセルダルが大統領選に出馬できる年齢に達したことで、彼の後継者としての道筋をつけました。選挙では71%の得票を得て、セルダルが大統領に就任する運びとなり、彼自身は人民評議会議長として新たな役割を担うこととなりました。2023年には憲法で「国の最高指導者」としての地位が明記されました。

また、海外との関係構築にも積極的で、韓国の尹錫悦大統領との会談や、アラバイ犬を贈るなどして国際交流を深めています。彼自身が政治の舞台から引退した後も、その影響力は色濃く残っているのが現状です。

ベルディムハメドフの人物像については、巨額な権力を持つ政治家として知られており、彼のファミリーも影響力を持っています。彼の指導の下、トルクメニスタンの政治は依然として厳しい状況にありますが、過去の独裁体制に対する脱却を目指した政策転換が進められていることは評価できます。国民に対する権利意識の向上や、今後の改革が期待されるところです。

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