グルーヴィット

グルーヴィット：重賞ウイナーの輝きと、競走生活の軌跡

2016年4月5日生まれの競走馬、グルーヴィット（欧字名：Groove It）。その馬名は「楽しむ」という意味を持ち、母馬の名に由来しています。2019年のGIII中京記念優勝という輝かしい実績を残したグルーヴィットの競走生活を、デビューから引退までを辿りながら詳しく見ていきましょう。

華々しいデビューと若駒の躍進

2歳（2018年）10月20日、京都競馬場で行われたダート1400mの新馬戦でデビュー。岩田康誠騎手を鞍上に迎え、デビュー戦を圧巻の5馬身差で勝利しました。1番人気に応える快勝劇は、将来への大きな期待を抱かせるものでした。

3歳（2019年）になると、2月17日の500万下競走でミルコ・デムーロ騎手を鞍上に迎え、再び1番人気に応えて勝利。デビューから2連勝と、順調なスタートを切りました。しかし、続く重賞初挑戦となったファルコンステークスでは2着。重賞の壁を痛感する結果となりました。NHKマイルカップでは10着と結果を残せず、期待された春のクラシック戦線への参戦は叶いませんでした。

しかし、グルーヴィットはここから真価を発揮します。7月21日の中京記念では、松山弘平騎手を鞍上に、古馬との初対戦で3番人気に支持されました。レースでは最後の直線で鋭く脚を伸ばし、同じく伸びてきたクリノガウディーを振り切って見事優勝。重賞初制覇という栄冠を掴みました。この勝利は、グルーヴィットの才能を改めて証明するものでした。しかし、続く京成杯オータムハンデキャップでは11着と大敗、武蔵野ステークスでも10着と、3歳シーズンは波乱の幕切れとなりました。

4歳・5歳シーズン：重賞挑戦と惜敗

4歳・5歳（2020年・2021年）シーズンは、期待に応える活躍とはなりませんでした。ニューイヤーステークスでは7着、高松宮記念では6着と、人気を裏切る結果に終わりました。京王杯スプリングカップでは3着と健闘する場面もありましたが、勝ち星を挙げることは叶わず、この2年間は勝利から遠ざかりました。

6歳・7歳シーズン：晩年の意地と引退

6歳（2022年）シーズンは、短距離のオープン特別戦に4戦出走しましたが、勝利には至りませんでした。しかし、12月17日のタンザナイトステークスで、1年9ヶ月ぶりに岩田康誠騎手とコンビを組み、7番人気ながら見事優勝。2年5ヶ月ぶりの勝利は、関係者にとって大きな喜びとなりました。

7歳（2023年）シーズンは、シルクロードステークスで15着と大敗。その後も低迷が続き、11月26日の京阪杯16着が現役最後のレースとなりました。2024年1月4日付でJRAの競走馬登録を抹消されました。当初は珠洲ホースパークでの乗馬生活が予定されていましたが、令和6年能登半島地震の影響で福山ホースパークへ一時避難。その後、同じく中京記念優勝馬であるベレヌスと共に珠洲ホースパークへ移動しました。

強靭な血統と華麗なる兄弟

グルーヴィットの半弟には、2022年のチャンピオンズカップを制したジュンライトボルト（父：キングカメハメハ）と、2024年のレパードステークス優勝馬ミッキーファイト（父：ドレフォン）がいます。彼らの活躍は、グルーヴィットの血統の素晴らしさを物語っています。

グルーヴィットの競走生活は、華々しい勝利と苦戦を繰り返す波乱に満ちたものでした。しかし、その輝かしい重賞制覇と、最後まで諦めない闘志は、多くのファンに感動を与え続けました。引退後も、第二の人生を穏やかに送っていることを願わずにはいられません。

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