グレアム・グールドマン

グレアム・グールドマン：音楽の才能と10ccの軌跡

グレアム・グールドマン（Graham Gouldman、1946年5月10日 - ）は、イギリス出身のミュージシャン、ソングライター、そしてベーシストとして知られています。1960年代には数々のヒット曲を作曲し、1970年代からはロックバンド10ccのメンバーとして、その音楽的才能を発揮してきました。

生い立ちと初期のキャリア

グレアム・グールドマンは、英国ランカシャーのブロートンで、東欧からの移民であるユダヤ人一家に生まれました。1960年代には、他のバンドに数々の楽曲を提供し、その才能を開花させました。特に、ヤードバーズの「フォー・ユア・ラヴ」や、ホリーズの「バス・ストップ」は彼の代表作として知られています。「バス・ストップ」は元々、ハーマンズ・ハーミッツのために用意されていたという逸話も残っています。その他にも、ハーマンズ・ハーミッツ、ウェイン・フォンタナ、ジェフ・ベック、セント・ルイス・ユニオンなど、多くのアーティストに楽曲を提供しました。

1964年、The Whirlwindsでレコードデビューを果たし、その後、The Mockingbirds、High Society、Manchester Mobなどを経て、1968年にマインドベンダーズへ加入しました。しかし、マインドベンダーズはほどなく解散。そこで出会ったエリック・スチュワートと意気投合し、エリックが立ち上げたストロベリー・スタジオの共同出資者となりました。その後、旧知のケヴィン・ゴドレイ、ロル・クレームを誘い、ハウス・バンドとして活動を開始。これが発展し、1972年に10ccとしてデビューすることになります。

10ccでの活躍

10ccでは、主にベースとボーカルを担当しました。最大のヒット曲である「アイム・ノット・イン・ラヴ」を含め、10ccの全英1位を獲得した3曲の共作者でもあります。1972年から1983年まで10ccで活動し、バンドの成功に大きく貢献しました。

10cc解散後

10cc解散後、1985年からはアンドリュー・ゴールドと組んでコモン・ノリッジ（Common Knowledge）を結成。後にWAXと改名し活動を続けました。WAXは、1990年の10cc再結成に伴い活動を停止。1995年のツアー終了後にエリック・スチュワートが離脱すると、1997年からはリック・フェンとGouldman ＆ Fenn of 10cc名義でライブ活動を開始しました。2002年にはGraham Gouldman & Friends名義で10cc 30周年ツアーを実施。その後、現在の5人編成となり、2005年7月には「10cc - Graham Gouldman and friends」として来日公演も行いました。その後は10cc名義となり、メンバーを変えつつ現在までライブ活動を続けています。2013年からは、ドラムのポール・バージェス以外のメンバーと4人で「Heart Full Of Songs」名義によるアコースティック・ライブも、10ccのツアーと並行して行っています。

近年の活動

2006年7月には、ケヴィン・ゴドレイと一緒に作曲、レコーディングした新曲4曲を、GG/06名義で発表しダウンロード販売しています（その後、6曲に）。2014年には、「Songwriters Hall of Fame」殿堂入りを果たし、その功績が称えられました。2018年には、リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドに客演し、ベース演奏のほか、「トロピカル・ラヴ」「アイム・ノット・イン・ラヴ」「愛ゆえに」でリード・ボーカルを担当しました。この客演がきっかけとなり、リンゴ・スターは2020年のアルバム『Modesty Forbids』にグレアムをゲストとして迎えました。

グレアム・グールドマンは、その長きにわたるキャリアの中で、数々の名曲を生み出し、多くのミュージシャンに影響を与えてきました。彼の音楽は、世代を超えて愛され続けています。

ディスコグラフィー

『ザ・グレアム・グールドマン・シング』 - The Graham Gouldman Thing (1968年)
『アニマリンピック』 - Animalympics (1980年)
And Another Thing (2000年)
Love and Work (2012年)
『プレイ・ナイスリー・アンド・シェア』 - Play Nicely And Share (2017年) ※EP
Modesty Forbids (2020年)
No Words Today (2021年)
I Have Notes (2024年)
* 『リッスン・ピープル グレアム・グールドマン・ソングブック 1964-2005』 - Listen People (The Graham Gouldman Songbook 1964-2005) (2017年)

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