10cc

10cc (テンシーシー)

10ccは、イギリス・イングランドで結成されたロックバンドです。そのユニークな音楽性と、メンバーの才能が光る楽曲で、1970年代を中心に世界的な人気を博しました。

経歴

バンド結成前夜

10ccのメンバーは、1972年のデビュー以前から、それぞれ音楽業界で活動していました。

ロル・クレームとケヴィン・ゴドレイ：1960年代から共に音楽活動を行う。
エリック・スチュワート：1963年、ウェイン・フォンタナ&ザ・マインドベンダーズのギタリストとしてデビュー。
グレアム・グールドマン：自身のバンド、ザ・モッキンバーズを結成し、1965年にデビュー。ホリーズへの楽曲提供（「バス・ストップ」）で作曲家としての地位を確立。

モッキンバーズ解散後、ケヴィンはロルと再びコンビを結成。一方、エリックはグレアムを誘い、ストロベリー・スタジオを共同で設立。グレアムはロルとケヴィンをスタジオミュージシャンとして迎え、4人が集結。

ホットレッグスとしての活動

1970年、試験的に録音した「ネアンデルタール・マン」が、ホットレッグス名義でリリースされ、世界的なヒットを記録。しかし、その成功に臆したメンバーは一時活動を休止。その後もバンド名を変えながら活動を続け、スタジオミュージシャンとしても多くのアーティストのレコーディングに参加しました。

10ccとしてのデビューと全盛期

1972年、4人は自分たちのバンドに力を入れることを決意し、ジョナサン・キングのレコード会社と契約。バンド名を「10cc」とし、シングル「ドナ」でデビュー。この曲は全英2位の大ヒットとなり、バンドの活動は本格化。

1973年には「ラバー・ブレッツ」で全英1位を獲得。1975年には、アルバム『オリジナル・サウンドトラック』、シングル「アイム・ノット・イン・ラヴ」が世界的な大ヒットとなり、バンドは絶頂期を迎えます。

メンバーの脱退とその後

1976年、音楽性の違いからケヴィンとロルが脱退。彼らはゴドレイ&クレームとして活動を開始。エリックとグレアムは、新たなメンバーを加え、10ccとしての活動を継続。

1977年には「愛ゆえに」がヒット。1978年には、レゲエを取り入れた「トロピカル・ラブ」が全英1位を獲得しました。

解散、再結成、そして現在

1983年、バンドは活動を停止。その後、エリックとグレアムはソロ活動や、他のアーティストとのコラボレーションを行いました。

1992年には、オリジナルメンバーによる再結成アルバム『ミーンホワイル』がリリース。1995年にもアルバム『ミラー・ミラー』をリリースし、ツアーを行いましたが、再び活動を停止。

2000年代以降は、グレアム・グールドマンが中心となり、新たなメンバーを加えて10ccとしてのツアー活動を継続しています。

名前(バンド名)の由来

レコード会社社長のジョナサン・キングが見た夢が由来。「世界最高のバンド、10cc」という看板の夢を見た彼は、それを神のお告げだと考え、バンド名に採用しました。

主な楽曲

ドナ (Donna)：デビュー曲。ドゥーワップ風のコミカルなナンバー。
ラバー・ブレッツ (Rubber Bullets)：初の全英1位獲得曲。
ウォール・ストリート・シャッフル (The Wall Street Shuffle)：ライブでの定番曲。
アイム・ノット・イン・ラヴ (I'm Not in Love)：バンドを代表する大ヒット曲。多重録音による幻想的なコーラスが特徴。
トロピカル・ラブ (Dreadlock Holiday)：レゲエのリズムを取り入れたナンバー。

メンバー

オリジナル・メンバー (1972年 - 1976年)

グレアム・グールドマン (Graham Gouldman): ベース、ギター、ボーカル
エリック・スチュワート (Eric Stewart): ボーカル、ギター、キーボード
ロル・クレーム (Lol Creme): ボーカル、ギター、キーボード、ギズモ
ケヴィン・ゴドレイ (Kevin Godley): ボーカル、ドラム

現在のメンバー

グレアム・グールドマン (Graham Gouldman)
リック・フェン (Rick Fenn)
ポール・バージェス (Paul Burgess)
マイク・スティーヴンス (Mike Stevens)
* イアン・ホーナル (Iain Hornal)

10ccは、その独創的な音楽性と、メンバーの才能によって、時代を超えて愛されるバンドです。彼らの楽曲は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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