グレイバック (SS-208)

グレイバック (USS Grayback, SS-208)

グレイバックは、アメリカ海軍に所属していた潜水艦であり、タンバー級艦艇の一隻です。艦名は、アロサ属に属するニシン科の魚、エールワイフにちなみ名づけられました。喪失の14年後には、グレイバック級潜水艦の1番艦として2代目グレイバック（SSG-574）が就役しました。

艦歴

グレイバックは1941年にコネチカット州グロトンにあるエレクトリック・ボート社で起工され、同年1月31日にブラウン夫人によって命名・進水しました。艦長にはウィラード・A・サーンダーズ少佐が就任し、1941年6月30日に就役しました。グレイバックは大西洋艦隊へ配属され、ニューヨーク沖合で整調航海を行いました。

9月8日、グレイバックは僚艦グランパス（USS Grampus, SS-207）と共にニューロンドンからカリブ海およびチェサピーク湾へ出航。その後、1942年1月15日には真珠湾への航海を開始し、同年2月8日に到着しました。

第1から第4の哨戒（1942年2月 - 11月）

最初の哨戒は2月15日に始まり、マリアナおよび小笠原諸島方面を巡回しました。この期間中、グレイバックは日本の潜水艦や商船に出会い、数回の攻撃を試みましたが、多くの攻撃は命中しませんでした。3月17日、彼らは石狩丸という特設運送船を発見し、撃沈しました。続いて、カロリン諸島や南シナ海での哨戒が続きましたが、戦果はほとんどありませんでした。

第5から第7の哨戒（1942年12月 - 1943年5月）

5回目の哨戒では、ソロモン諸島に向かい、乗組員の盲腸手術など幾多の困難を乗り越えました。さらに、救助任務を遂行するなどの活躍も見せました。7回目の哨戒では、再びソロモン諸島に向かい、輸送船団に攻撃を行いました。

第8から第10の哨戒（1943年9月 - 1944年2月）

8回目の哨戒では、東シナ海での攻撃を行い、複数の商船を撃沈しました。この期間、グレイバックは多くの成功を収め、海軍の評価を得ました。10回目の哨戒では、戦果が豊富でありましたが、帰路にあるグレイバックは行方不明となります。

喪失

グレイバックは、1944年2月に東シナ海で日本軍の攻撃を受け、沈没したとされています。日本の記録によれば、グレイバックは運命の時、潜水艦の攻撃を受け沈みました。その後、彼の戦果は21,594トンとされ、アメリカ海軍の潜水艦として多くの栄誉を受けました。

75年ぶりの発見

2019年6月、グレイバックの艦体が沖縄の南西沖で発見されました。この発見は、多くの歴史研究者や潜水艦ファンにとって大きな話題となりました。

このように、グレイバックの歴史は数々の戦功と苦難に満ちており、その存在は今でも多くの人々に記憶されています。

もう一度検索