グレゴリー・ファン・デル・ヴィール

グレゴリー・カートリー・ファン・デル・ヴィール（Gregory Kurtley van der Wiel, 1988年2月3日 - ）は、オランダ・アムステルダム出身の元サッカー選手です。現役時代は主に右サイドバックをポジションとし、そのスピードと攻撃的なプレースタイルで名を馳せました。

クラブキャリア

ファン・デル・ヴィールは、アヤックス・アムステルダムのユースチームで育ち、2007年にトップチームデビューを果たしました。右サイドを駆け上がる姿は、往年の名選手ミハエル・ライツィハーを彷彿とさせ、瞬く間にチームの主力として定着しました。アヤックスでは、エールディヴィジ優勝2回、KNVBカップ優勝2回など、数々のタイトル獲得に貢献しました。

2012年、フランスの強豪パリ・サンジェルマンFCへ移籍。当初は出場機会に恵まれない時期もありましたが、徐々にチームにフィットし、2013-2014シーズンからは右サイドバックのレギュラーとして活躍しました。パリ・サンジェルマンでは、リーグ・アン優勝4回、クープ・ドゥ・ラ・リーグ優勝3回など、国内タイトルを総なめにしました。

その後、トルコのフェネルバフチェSK、カナダのトロントFCを経て、2020年に母国のRKCヴァールヴァイクで現役復帰を目指しましたが、実現には至りませんでした。

代表キャリア

ファン・デル・ヴィールは、2009年にオランダ代表デビューを果たし、2010 FIFAワールドカップでは全試合に出場するなど、主力選手として活躍しました。しかし、2010年のワールドカップ後、代表から遠ざかり、2015年を最後に代表でのプレーはありません。

プレースタイル

ファン・デル・ヴィールは、スピードに乗った攻撃参加が最大の魅力でした。右サイドを駆け上がり、正確なクロスボールでチャンスを演出するだけでなく、自らも積極的にゴールを狙う姿勢を持っていました。また、守備面でも献身的なプレーを見せ、チームに貢献しました。

人物

ファン・デル・ヴィールは、その才能と容姿から、サッカー界のアイコンとしても注目を集めました。しかし、その一方で、素行の悪さや監督との衝突など、ピッチ外での問題も抱えていました。トロントFC時代には監督との確執が表面化し、チームを離れることになりました。また、パニック障害や不安神経症を発症し、治療のために長期間チームに所属できない時期もありました。

獲得タイトル

アヤックス・アムステルダム
エールディヴィジ：2010-11, 2011-12
KNVBカップ：2006-07, 2009-10
ヨハン・クライフ・シャール：2007
パリ・サンジェルマンFC
リーグ・アン：2012-13, 2013-14, 2014-15, 2015-16
クープ・ドゥ・ラ・リーグ：2013-14, 2014-15, 2015-16
クープ・ドゥ・フランス：2014-15, 2015-16
トロフェ・デ・シャンピオン：2013, 2014, 2015

個人タイトル

オランダ最優秀若手選手賞：2009-10
* アヤックス・タレント・オブ・ザ・イヤー：2008-09

ファン・デル・ヴィールは、その才能と実績にも関わらず、様々な問題を抱え、期待されたほどの活躍を見せることができませんでした。しかし、そのプレースタイルは多くのファンを魅了し、記憶に残る選手の一人として語り継がれています。

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