グレッグ・フィリンゲインズ

グレッグ・フィリンゲインズ（Greg Phillinganes、1956年5月12日 - ）は、アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト出身のキーボーディスト、歌手、作曲家、そして卓越したセッションミュージシャンです。本名はグレゴリー・アーサー・フィリンゲインズ(Gregory Arthur Phillinganes)です。

多岐にわたる音楽キャリア

幼少期を過ごしたデトロイトからカリフォルニア州ロサンゼルスへ移り、音楽の才能を開花させました。スティーヴィー・ワンダーの楽曲をインストゥルメンタルにアレンジした演奏が、スティーヴィー本人の目に留まり、1976年には彼のバックバンドに加入するという幸運に恵まれます。その後、R&Bやフュージョンの分野を中心に、スタジオミュージシャンとしてその才能を遺憾なく発揮し、数多くのレコーディングやライブセッションに参加しました。

マイケル・ジャクソンとの蜜月

1979年、マイケル・ジャクソンのアルバム『オフ・ザ・ウォール』に参加したことをきっかけに、マイケルの作品制作に深く関わるようになります。プロデューサーのクインシー・ジョーンズからの信頼も厚く、彼が手がける様々なアーティストの作品にもサイドマンとして参加しました。マイケル・ジャクソンの輝かしい音楽を支えた功績は計り知れません。

ソロ活動とTOTOへの加入

1981年には、初のソロアルバム『処女航海』を発表し、同作からのシングル「Baby, I Do Love You」がビルボードR&Bチャートで72位を記録しました。1984年発表のセカンドアルバム『パルス』には、YMOのカバー「ビハインド・ザ・マスク」が収録されています。当時グレッグをバックバンドに迎えていたエリック・クラプトンも、自身のアルバム『オーガスト』（1986年）でこの曲を取り上げ、話題を呼びました。

2005年、以前からサポートメンバーとして参加していたTOTOに正式加入。キーボード演奏だけでなく、一部の楽曲ではリードボーカルも担当し、バンドが2008年に解散するまで在籍しました。2010年の再結成には参加していませんが、2024年のTOTOのツアーにサポートメンバーとして参加しています。

幅広い共演

スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソン、エリック・クラプトン、TOTOなど、ジャンルを超えた数多くの著名なミュージシャンと共演。レコーディングやライブサポートを通じて、彼らの音楽を彩りました。

ディスコグラフィー

ソロ・アルバム
『処女航海』 - Significant Gains (1981年)
『パルス』 - Pulse (1984年)
スティーヴィー・ワンダー
『キー・オブ・ライフ』 - Songs in the Key of Life (1976年)
『カンバセーション・ピース』 - Conversation Peace (1995年)
『タイム・トゥ・ラヴ』 - Time to Love (2005年)
マイケル・ジャクソン
『オフ・ザ・ウォール』 - Off the Wall (1979年)
『スリラー』 - Thriller (1982年)
『バッド』 - Bad (1987年)
『デンジャラス』 - Dangerous (1991年)
『ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロア』 - Blood on the Dance Floor (1997年)
エリック・クラプトン
『ビハインド・ザ・サン』 - Behind the Sun (1985年)
『オーガスト』 - August (1986年)
『ジャーニーマン』 - Journeyman (1989年)
『24ナイツ』 - 24 Nights (1991年) ※ライブ・アルバム
『ピルグリム』 - Pilgrim (1998年)
『ワン・モア・カー、ワン・モア・ライダー〜ベスト・ライヴ』 - One More Car, One More Rider (2002年) ※ライブ・アルバム
TOTO
『フォーリング・イン・ビトゥイーン』 - Falling in Between (2006年)
『フォーリング・イン・ビトゥイーン・ライヴ』 - Falling in Between Live (2007年) ※ライブ・アルバム

外部リンク

Official TOTO website
SOUL WALKING - Greg Phillinganes
グレッグ・フィリンゲインズ - オールミュージック

グレッグ・フィリンゲインズは、その卓越した音楽センスと幅広い知識、そして何よりも音楽への深い愛情によって、これからも多くの人々を魅了し続けるでしょう。

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