グレッグ・ラロッカ

グレゴリー・マーク・ラロッカ：28死球の記録と、愛された外国人選手

グレゴリー・マーク・ラロッカ。1972年生まれ、アメリカ合衆国ニューヨーク州出身の元プロ野球選手である。内野手として活躍し、日本プロ野球の歴史に名を刻む偉業を達成したことで知られる。

プロ入りから広島東洋カープへ

アメリカ、マサチューセッツ大学を経て、1994年、MLBドラフトでサンディエゴ・パドレスに入団。2000年にメジャーデビューを果たすも、その後クリーブランド・インディアンスを経て、2004年に広島東洋カープへ入団する。

推定年俸2700万円と、外国人選手としては破格の安さだったため、開幕当初はそれほど注目を集めていなかった。しかし、蓋を開けてみれば、その打撃センスは想像をはるかに超えていた。

高打率を維持し、驚異的なペースで本塁打を量産。前半戦だけで26本塁打を放つ活躍を見せ、最終的には打率.328、34本塁打、100打点を記録。打撃3部門でリーグ5位に入る活躍で、チームの主力として活躍した。特に、変化球にも対応できる優れた打撃技術と、少ない三振数は高く評価された。最高出塁率のタイトルも獲得し、その実力を証明した。

ヤクルトスワローズ、オリックス・バファローズ時代

2005年シーズン終了後、広島を自由契約となり、東京ヤクルトスワローズに移籍。ラミレスやリグスらと共に強力な打線を形成し、「F-Brothers」と呼ばれた。ヤクルト時代には3打席連続本塁打、1イニング2本塁打などの記録も残している。しかし、左膝の負傷により戦線離脱する時期もあった。

2007年からはオリックス・バファローズへ移籍。主に3番打者として活躍し、5月時点で3割17本塁打と好調を維持していた。この年、日本プロ野球記録となるシーズン28死球という驚異的な記録を達成した。これは、1シーズンにおける最多死球記録を55年ぶりに更新する快挙であった。

オリックス時代には、全球団から本[[塁打]]を放つという偉業も達成した。また、サヨナラ本塁打も記録しており、勝負強い打者であることを証明した。しかし、怪我に悩まされることも多く、2008年には右肘側副靱帯の再建手術（トミー・ジョン[[手術]]）を受けてシーズンを棒に振った。

2009年には、右手骨折で再びシーズンを途中離脱するなど、故障に苦しむシーズンが続いた。2010年には、小指骨折しながらも強行出場し本塁打を放つなど、驚異的な粘りを見せた。しかし、その後も怪我に悩まされ、シーズン途中で登録抹消。結局、2010年シーズンをもって現役を引退することとなった。

28死球という記録と、その理由

ラロッカは、通算109個もの死球を受けている。これは、常にボール球にも積極的に打ちに行く彼の積極的な打撃スタイルが、内角の厳しい球にも対応する姿勢と相まって、死球に繋がるケースが多かったことが原因だと考えられる。

2007年の28死球は、シーズン最多死球数という日本プロ野球記録であり、オールスターゲームでも死球を受けた。その際、両手を広げてアピールするユーモラスな姿は、ファンを魅了した。オリックス球団では、この記録を記念した「当てたロッカ」というグッズまで発売されるほどであった。

人間味あふれるラロッカ

ラロッカは、野球選手としての才能だけでなく、人間性も高く評価されていた。オフシーズンには日本語教室に通い、日本の文化を理解しようと努力するなど、ファンとの交流を大切にしていた。焼肉好きで知られ、遠征先では必ずと言っていいほど牛角を訪れていたというエピソードも有名である。また、日本二分脊椎・水頭症研究振興財団への寄付など、社会貢献活動にも積極的だった。

選手としてだけでなく、人としても多くのファンを魅了し、今もなお、多くのファンから愛されている。彼の日本プロ野球での活躍は、多くの記憶に残るものとなっている。

応援歌の流用

広島、ヤクルト、オリックスと所属球団全てで彼の応援歌は、後年他の選手に流用されたり、もしくは他の選手の応援歌を流用したものだったという、ユニークな点も存在する。オリックス時代の応援歌は、バンド「ガガガSP」のコザック前田が制作したものである。

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