グレナディアー (SS-210)

グレナディアー (USS Grenadier, SS-210)

USS Grenadier (SS-210)は、アメリカ海軍の潜水艦で、タンバー級に属します。この艦名は、淡水魚の一種であるグレナディアーに由来しています。1940年、メイン州のポーツマス海軍造船所で起工され、同年11月29日に進水しました。艦長アラン・R・ジョイス少佐の指揮の下、1941年に就役し、すぐに戦闘任務に入ります。

艦歴の概要

最初の任務は、O-9 (USS O-9, SS-70)の行方不明捜索であり、1941年6月20日に行われました。その後、カリブ海での調整を経て、真珠湾攻撃の直後に太平洋作戦に参加します。1942年2月には初の哨戒を行い、日本近海に向けて出航しました。この哨戒では、特設運送船朝日山丸を魚雷で撃沈するなど、成果を上げました。

その後の1942年4月から6月にかけて、グレナディアーは複数の哨戒を行い、輸送船に対する攻撃を続けました。特に、南方占領地に向かう学者や技術者を多く乗せた大洋丸を攻撃し、多くの人材とともに戦争遂行への影響を与えました。

続いて、1942年7月から1943年2月の期間にはトラック諸島方面やインドシナ半島での哨戒を行い、日本の輸送船団に対して積極的に攻撃しました。特に、1942年10月のインドシナ半島方面での行動では、数多くの輸送船を狙い撃ちしましたが、護衛艦の反撃に遭うこともありました。

最後の哨戒と戦闘

1943年3月20日、グレナディアーはマラッカ海峡に向けて出航し、最終的に遭遇する運命となります。この最後の哨戒では、攻撃準備中に特設砲艦に発見された後、艦上攻撃機による爆撃に見舞われ、艦は大きな損傷を受けます。最終的に艦長が艦の放棄を決意し、乗員は降伏する運命を辿ります。

艦の沈没後、残された乗員は日本軍に捕虜として拘束され、過酷な扱いを受けながらも数年後に戦争が終わるまで生き延びることになります。グレナディアーは、その勇敢な戦歴から4個の従軍星章を授与され、アメリカ海軍の歴史に名を刻みました。

記念と後日談

グレナディアーの記念碑はニューヨーク州バッファローに存在し、その勇敢な任務と犠牲を讃えています。艦の最期を見届けた乗員の物語は、多くの海軍関係者に記憶され続け、アメリカ海軍の証旗を掲げた潜水艦の物語として語り継がれています。

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