グレプ・フセスラヴィチ

グレプ・フセスラヴィチ：ミンスク公、波乱の生涯

グレプ・フセスラヴィチ（生年不詳 - 1119年9月13日）は、ポロツク公フセスラフの子であり、ポロツク・イジャスラフ朝の支流であるミンスク家の祖として知られています。1101年から1119年までミンスク公を務めました。

生涯

グレプの名が歴史に登場するのは、1106年のゼムガレ族への遠征に関する記述です。その以前の1104年には、キエフ大公ウラジーミル・モノマフの子ヤロポルク、オレグ、ヴォエヴォダ・プチャタらの軍勢がミンスクを包囲しようと試みましたが、これは失敗に終わっています。

1116年、グレプはキエフ大公国のウラジーミル・モノマフとの間で戦端を開き、スルツクを焼き払いました。これに対し、モノマフとその子たち、オレグの子たち、チェルニゴフ公ダヴィドらの軍がミンスクへ進軍。モノマフの子らはオルシャとドルツクを陥落させ、ミンスクを包囲しました。窮地に陥ったグレプはモノマフとの和平交渉を模索し始めました。モノマフはキリスト教徒の血を流すことを望まなかったため、和平に応じ、ミンスクをグレプに返還しました。

しかし、和平交渉締結後も、グレプは1119年に再び戦いを開始。これに対し、モノマフの子ムスチスラフはグレプを捕らえ、キエフへと護送しました。グレプは捕らえられた同年に亡くなりました。

妻子

妻はヴォルィーニ公ヤロポルクの娘アナスタシヤ（1090年結婚）。彼らの間には以下の子供たちがいました。

ロスチスラフ：ミンスク公、ポロツク公。
ヴォロダリ：ミンスク公、ポロツク公。
フセヴォロド：イジャスラヴリ公、ストレジェフ公。
イジャスラフ

また、ミクラはグレプの子、あるいはイジャスラフと同一人物であるという説も存在します。

グレプ・フセスラヴィチは、その治世において周辺諸国との紛争が絶えず、激動の時代を生きた人物でした。ミンスク公として領土を守り、時には大胆な行動に出てキエフ大公国と対峙するなど、その生涯は波乱に満ちていました。

参考文献

Алексеев Л. В. Полоцкая земля // Древнерусские княжества Х-XIII вв. — М., 1975.
Загарульскі Э. М. Заходняя Русь: ІХ-ХІІІ ст.: Вучэб. дапам. — Мн., 1998. − 260 с.
* Рыжов К.Все монархи мира. Россия. — М.: Вече, 1998. — 640 с.

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