グレートベースン国立公園

グレートベースン国立公園は、1986年に設立されたアメリカ合衆国の国立公園で、ネバダ州の東中央部、ユタ州との州境近くに位置しています。公園の名前は、シエラネバダ山脈とロッキー山脈の間にある乾燥した山岳地帯「グレートベースン（大盆地）」に由来します。

公園の面積は約312.3平方キロメートルで、ラスベガスの北約467キロメートルに位置し、ラスベガスの中心部から車で約5時間でアクセスできます。

特徴

グレートベースン国立公園の最大の特徴は、樹齢5000年近い世界最長寿の樹木であるブリッスルコーンパイン（Pinus longaeva）の森です。この木は、単一の個体としては世界で最も長生きしているとされています。また、ネバダ州で2番目に高い標高3982メートルのホイーラー・ピークの麓には、美しい鍾乳洞であるリーマン洞窟があります。リーマン洞窟は1922年に国定史跡として保護され、その後国立公園に組み込まれました。

公園内には整備されたキャンプ場のほか、未開拓の自然の中でキャンプを楽しむこともできます。

気候

グレートベースン国立公園は乾燥した地域に位置し、年間降水量は約300ミリメートルと少ないです。降水は主に雪や夏の雷雨として観測されます。冬は涼しく、夏は温暖または暑くなります。天候は急変することがあります。リーマン洞窟内は年間を通して気温が約10℃、湿度90%と安定しているため、上着と歩きやすい靴を用意することをおすすめします。

見どころ

地形

グレートベースン国立公園の地形を楽しむには、ハイキングが最適です。公園内には、全長約480メートルから21キロメートルまでの12本のハイキングコースがあります。標高2080メートルの短い自然散策路から、標高3097メートルから始まるホイーラー・サミット・トレイルまで、様々なコースがあります。ホイーラー・サミット・トレイルは難易度が高く、高度の影響もあるため、十分な準備と経験が必要です。公園の奥地には、時折整備されているトレイルがあり、未舗装の道を通って、かつて先住民のショショーニ族が利用していたキャンプ地まで行くことができます。

動植物

植物：公園内には、11種類の針葉樹を含む約800種類の植物が生息しています。標高の低い乾燥地帯では、ビャクシン属と単葉のマツが優勢な針葉樹林を形成しています。標高が上がるとモミ属、トウヒ属などが混じり始め、巨大なポンデローサマツや広葉樹のヤマナラシも現れます。世界最長寿のブリッスルコーンパインは、さらに高所の森林限界付近の岩場に生息しています。1964年に伐採されたプロメテウスというブリッスルコーンパインの樹齢は、4800年を超えていたことが確認されています。また、キク科の植物や高塩分に耐性のある植物も見られます。

動物：げっ歯類やウサギ、キットギツネ、大型草食獣のプロングホーンやミュールジカなどが生息しています。肉食獣としてはコヨーテが代表的ですが、場所によってはピューマやボブキャットなどのネコ科の動物も生息しています。また、サケ科の魚であるOncorhynchus clarki utahは、この地域固有の亜種です。

ビジターセンター

グレートベースン・ビジター・センターは、ベーカーの町のネバダ州道487号線沿いにあり、毎日午前8時から午後4時30分まで開館しています。夏期は開館時間が延長されます。リーマン洞窟ビジター・センターは、ネバダ州道488号線沿いにあり、こちらも毎日午前8時から午後4時30分まで開館しており、夏期は開館時間が延長されます。リーマン洞窟ビジターセンターは、ネバダ州ベーカーから約9キロメートル、公園の境界線から約800メートルの場所に位置しています。両センターとも感謝祭、クリスマス、元旦は休館となります。

グレートベースン国立公園には、年間約79,000人から89,000人が訪れます。公園の運営予算は約190万ドルです。

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