グロスター・ラグビー

イングランド南西部の歴史ある都市グロスターを拠点とするプロラグビーユニオンクラブが、グロスター・ラグビーです。国内最高峰リーグであるプレミアシップに名を連ねており、チームカラーである赤と白にちなんで「チェリー・アンド・ホワイツ」という愛称で親しまれています。

クラブの黎明期と本拠地の変遷

グロスター・ラグビーの歴史は古く、その創設は1873年に遡ります。当初、チームは地元のクリケットクラブと共同でスパ・グラウンドを本拠地として使用していました。しかし、1891年にウェールズのスウォンジーRFCとの試合に向けた練習で、凍結した芝を解かすために塩を散布したことが問題を引き起こしました。この行為によって芝が損傷したため、チームはスパ・グラウンドを離れることを余儀なくされました。その後、クラブは現在のキングスホルム・スタジアムの土地を購入し、それ以来、この地をホームグラウンドとして活動しています。キングスホルム・スタジアムは、長年にわたりチームの栄枯盛衰を見守ってきた象徴的な場所となっています。

プロ化以降の挑戦

ラグビーユニオンがプロ化された後の1997年、元レーシングドライバーであり実業家でもあるトム・ウォーキンショー氏がクラブの新たなオーナーとなりました。彼のリーダーシップのもと、翌シーズンからは元フランス代表選手であり、かつてグロスターでもプレー経験のあるフィリップ・サンタンドレ氏がチームの指揮を執りました。この体制のもと、チームは着実に力をつけ、1999-2000シーズンにはプレミアシップで3位という好成績を収め、欧州最高峰大会であるハイネケンカップへの出場権を獲得しました。ハイネケンカップでは準決勝まで駒を進める活躍を見せましたが、惜しくも国内のライバルであるレスター・タイガースに敗れ、決勝進出は叶いませんでした。

その後もチームは国内リーグで強豪としての地位を維持しました。2002-03シーズンにはレギュラーシーズンを1位で終える快挙を達成しましたが、プレーオフ決勝でワスプスに屈し、リーグタイトル獲得はなりませんでした。また、2006-07シーズンおよび2007-08シーズンもレギュラーシーズンを首位で通過しましたが、いずれもプレーオフで敗退し、栄冠には届きませんでした。一方で、欧州の舞台では成果を上げています。ハイネケンカップの下部大会にあたるヨーロピアンチャレンジカップでは、2005-06シーズンに初優勝を飾りました。さらに2014-15シーズンには、決勝でスコットランドのエディンバラを破り、この大会で2度目の優勝を果たしています。

国際的な交流としては、2013年11月には欧州遠征中だった日本代表（JAPAN XV）と対戦し、40対5で勝利を収めました。

獲得タイトル

グロスター・ラグビーは、クラブの長い歴史の中で数々のタイトルを獲得してきました。主要な獲得タイトルは以下の通りです。

アングロ・ウェルシュカップ: 5回 (1971-72, 1977-78, 1981-82, 2002-03, 2010-11)
ヨーロピアンラグビーチャレンジカップ: 2回 (2005-06, 2014-15)

チームを彩った選手たち

グロスター・ラグビーはその長い歴史の中で、多くの国内外の著名な選手たちが在籍してきました。歴代所属選手には、各国のナショナルチームで活躍した選手が多数名を連ねています。例えば、ワールドカップに複数回出場したトンガ代表のトゥクルア・ロコツイやフィジー代表のアカプシ・ンゲラ、スコットランド代表のアラスデア・ディッキンソン、ウェールズ代表のジェームズ・フックやロス・モリアーティ、イングランド代表のサム・アンダーヒルやジョニー・メイ、南アフリカ代表のフランコ・モスタートなどが挙げられます。リオ五輪セブンズ銀メダリストのダン・ノートンも在籍していました。チームの元主将であるトム・サベッジのように、現在は日本のトップリーグでプレーする選手もいます。

現在のチームには、2024-25シーズンに向けたスコッドが編成されており、新たな歴史を築くべく活動を続けています。

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