ケイシー・コッチマン

ケイシー・コッチマン：堅実な守備と打撃で魅せた元メジャーリーガー

ケイシー・ジョン・コッチマン（Casey John Kotchman, 1983年2月22日 - ）は、アメリカ合衆国フロリダ州セントピーターズバーグ出身の元プロ野球選手。ポジションは一塁手で、左投左打でした。

プロ入り前

コッチマンは幼少の頃から野球に囲まれた環境で育ちました。父親がアナハイム・エンゼルス（現：ロサンゼルス・エンゼルス）でマイナー球団監督やスカウトを務めていたため、プロ野球選手と触れ合う機会が多かったのです。高校時代は、フロリダ州セミノールのセミノール高等学校で活躍。2001年にはベースボール・アメリカ誌で「将来有望な高校生選手」の1位に選ばれるなど、その才能は早くから注目されていました。

エンゼルス時代

2001年6月のMLBドラフトで、コッチマンは1巡目（全体13位）で父が在籍するエンゼルスから指名を受け、入団。2004年5月には、正一塁手ダリン・アースタッドの故障者リスト入りに伴い、AA級アーカンソー・トラベラーズからメジャー昇格を果たしました。メジャーデビュー戦では、初打席から48打席連続無三振という球団記録を樹立。その後、アースタッドの復帰後はマイナー降格となりましたが、9月には再昇格し、代打や守備固めとしてシーズンを終えました。

2005年は、5月末にメジャー昇格を果たすも、結果を残せず再びマイナーへ。しかし、8月に再昇格してからは、40試合で打率.302、OPS.895と好成績を記録しました。2006年は、開幕から正一塁手として出場していたものの、伝染性単核球症に感染し戦線離脱。その後はリハビリに専念し、メジャー復帰は叶いませんでした。2007年は137試合に出場し、打撃成績のほぼ全てで自己最高を更新しました。

ブレーブス、レッドソックス、マリナーズ時代

2008年7月には、マーク・テシェイラとのトレードでアトランタ・ブレーブスへ移籍。さらに2009年7月には、アダム・ラローシュとのトレードでボストン・レッドソックスへ移籍しました。2010年1月には、シアトル・マリナーズへ移籍。この年、コッチマンは一塁手として驚異的な守備力を発揮しました。6月3日のミネソタ・ツインズ戦で、一塁守備における2003連続守備機会無失策のMLB記録を達成。さらに、6月20日のシンシナティ・レッズ戦では、239試合連続無失策のMLB記録も樹立し、ケビン・ユーキリスが保持していた記録を更新しました。

連続無失策記録はその後も伸び続けましたが、8月21日のニューヨーク・ヤンキース戦で途絶えました。2008年6月20日から続いていた連続無失策記録は、274試合・2379守備機会という素晴らしいものでした。

レイズ、インディアンス、マーリンズ時代

2011年1月には、タンパベイ・レイズとマイナー契約を結び、一塁手としてレギュラーの座を掴みました。2012年1月には、クリーブランド・インディアンスと1年契約。2013年2月には、マイアミ・マーリンズとマイナー契約を結びましたが、8月には放出されました。2014年は所属球団なし。

ロイヤルズ、ブルージェイズ傘下時代

2015年2月、コッチマンはカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約。AAA級オマハ・ストームチェイサーズでプレーし、90試合に出場して打率.290、7本塁打の成績を残しました。同年には、2015年パンアメリカン競技大会の野球アメリカ合衆国代表にも選出され、銀メダルを獲得。2015年11月には、トロント・ブルージェイズとマイナー契約を結びました。2016年は、AAA級バッファロー・バイソンズでプレーし、100試合に出場しましたが、メジャー昇格は叶わず、同年オフにFAとなりました。

コッチマンは、メジャーリーグにおいて、卓越した守備力と堅実な打撃でチームに貢献した選手でした。特に、一塁手としての連続無失策記録は、彼の守備能力の高さを証明するものでした。

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