ケッパー

ケッパーとは

ケッパー（英: caper; 学名: Capparis spinosa）は、フウチョウボク科に属する半蔓性の低木で、そのつぼみはピクルスとして利用されることが多い植物です。フランス語では「ケイパー」や「カープル」とも呼ばれ、日本語では「トゲフウチョウボク」や「セイヨウフウチョウボク」と名付けられています。この植物は、カール・リンネの著書「植物の種」（1753年）にも記載されています。

生息環境と特徴

ケッパーは主に地中海沿岸やイラン高原、それにアフガニスタン一帯に自生している常緑の低木です。多年生の植物であり、毎年木質と草質のつるを数多く伸ばします。葉は卵型をしており、葉柄には2本の刺が見られます。また、花は単性で、通常はバラ色の4枚の花弁を持ち、3月から8月にかけて咲きます。植物の果実は卵形の漿果で、収穫されることは稀です。これらは主に粘土質の丘陵地や岩場、壁面などの環境に見ることができます。

名称の由来と歴史

フウチョウボクは地中海地方が起源ですが、香辛料としてのケッパーの語源はペルシア語の「کبر」(kabar) とアラビア語の「کبر」(kabar) に由来すると考えられています。その後、ギリシャ語の「kapparis」やラテン語の「capparis」に転化しました。フランスにおけるケッパーの記録は15世紀から見られ、特に16世紀には外科医のアンブロワーズ・パレがケッパーの食欲を刺激する効果について記しています。この時期には人工栽培も始まり、現在では主にフランス、イタリア、スペインで栽培されています。

食用としての利用

ケッパーはその独特の風味と酸味が特徴です。一般的には酢漬けや塩漬けにされ、料理の薬味やサラダのトッピングに利用されます。特にスモークサーモンとの組み合わせは人気があり、薄切りのタマネギと合わせて提供されることが多いです。また、刻んでバターと混ぜた「モンペリエ・バター」としても知られています。

フランスのプロヴァンス地方では、オリーブの実やオイル、にんにく、アンチョビと共に「タプナード」と呼ばれるペーストが作られ、この料理にはケッパーが欠かせない存在となっています。

収穫と価値

ケッパーの収穫は、開花する前のつぼみを行うため、その大きさや形により市場での価値が変わります。一番価値が高いのは、丸くて小さいつぼみです。また、つぼみと同様に果実も収穫されますが、こちらは取れる量が少なく、より高い価値を持つことがあります。こうした特性から、ケッパーは料理に豊かさを加える貴重な食材として重宝されています。

もう一度検索