ケヅメリクガメ

ケヅメリクガメ（Centrochelys sulcata）

ケヅメリクガメは、リクガメ科に属する大型のカメで、サハラ砂漠の南側、アフリカ大陸の広範囲に分布しています。その名の通り、後肢に蹴爪状の突起があるのが特徴です。

分布

ケヅメリクガメは、エリトリア、エチオピア、スーダン、セネガル、ソマリア、チャド、ニジェール、マリ、ブルキナファソ、ベナン、モーリタニアなど、広大な地域に生息しています。これらの地域は、サハラ砂漠の南縁に位置し、乾燥した環境が特徴です。

形態

ケヅメリクガメは、最大で甲長83センチメートルに達する大型のリクガメです。甲羅には成長輪が発達しており、種小名の「sulcata」（溝がある）は、この成長輪に由来しています。甲羅の形状は個体差があり、背甲の色が薄くコブができにくいモロッコタイプと、色が濃くコブができやすいガーナタイプが存在します。幼体はドーム状の甲羅を持つ一方、成長とともに扁平になります。後肢には蹴爪状の突起があり、これが和名や英名（spurred tortoise）の由来となっています。尾の先端は小さな鱗で覆われています。

分類

かつてはリクガメ属に分類されていましたが、形態的な特徴から、現在はケヅメリクガメのみで構成されるCentrochelys属に分類されています。

生態

ケヅメリクガメは、砂漠周辺やサバンナに生息し、薄明薄暮性です。昼間や夜間は、自分で掘った穴や他の動物の巣穴で休みます。乾季には休眠することもあります。食性は植物食で、イネ科の植物や多肉[[植物]]を主に食べますが、草、低木の葉、花、果実なども食べます。乾燥地帯に生息しているため、食物や代謝によって得られる水分を摂取して生きています。

繁殖は卵生で、オス同士は体当たりや噛みつきなどで争います。飼育下では、オスがメスの総排泄孔の臭いを嗅ぎながら追いかけ、メスが動かなくなると鳴きながら交尾することが確認されています。飼育下では、1回に平均15個（最大34個）の卵を産み、年に最大6回産卵することもあります。卵は約28℃で120～170日、約30℃で85～100日で孵化します。

人間との関係

ケヅメリクガメは、生息地の破壊や乾燥化、ペットとしての乱獲などにより、生息数が激減しています。2000年からは野生個体の輸出が厳しく制限され、養殖個体のみ取引が許可されています。2000年時点での推定生息数は、18,000～20,000頭とされています。

ペットとしても飼育されており、日本にも輸入されています。飼育下でも甲長50cm以上に成長し、活発に動き回るため、広い飼育スペースと適切な温度管理が不可欠です。映画『小さき勇者たち〜ガメラ〜』にも登場し、飼育には十分な注意が必要であることが劇中でも注意喚起されました。

日本国内の動物園での飼育状況

ケヅメリクガメは、日本国内の多くの動物園で飼育されています。以下はその一部です。

とべ動物園
いしかわ[[動物園]]
大内山動物園
王子動物園
到津の森公園
夢見ヶ崎動物公園
徳山動物園
渋川動物公園
五月山動物園
大牟田市動物園
飯田市立動物園
日本平動物園
岡崎市東公園動物園
秋田市大森山動物園
大山トムソーヤ牧場
福山市立動物園
みさき公園
神戸どうぶつ王国
茶臼山動物園
東南植物楽園

参考文献

(参考文献リストは省略)

関連項目

リクガメ科
リクガメ属
小さき勇者たち〜ガメラ〜

外部リンク

* (外部リンクは省略)

もう一度検索