ケネス・ツァン

ケネス・ツァン（曾江）

ケネス・ツァン（曾江、英名: Kenneth Tsang Kong、1934年10月5日 - 2022年4月27日）は、香港出身の著名な俳優です。本名は曾貫一。

生涯

ケネス・ツァンは、九龍華仁書院を卒業後、アメリカに留学し、テキサスのマクマレイ大学を経てカリフォルニア大学バークレー校で建築学を修めました。帰国後、建築関係の仕事に就きますが、妹で人気女優であったリン・ツイ（林翠）の影響を受け、俳優の道へ進むことを決意します。

1960年代には、香港映画に数多く出演し、二枚目俳優として人気を博しました。その出演本数は数百本に及ぶと言われています。

1970年代には、テレビ界に活躍の場を広げ、無綫電視（TVB）の専属俳優として、数多くのテレビドラマに出演しました。特に、1983年製作のドラマ『射鵰英雄伝』での黄薬師役は、彼の代表作の一つとして知られています。その後も、様々なテレビドラマで重要な脇役を演じ、その存在感を示しました。また、台湾のドラマ『流星花園II』にも出演しています。

日本においては、『男たちの挽歌』シリーズでのタクシー会社社長キン役や、『ポリス・ストーリー3』のチャイバ役などで知られ、善人から悪役まで幅広い役柄を演じることが多い俳優です。

1960年代にはアメリカの映画界にも進出し、1990年代末からは海外製作映画にも数多く出演しました。2002年には、『007 ダイ・アナザー・デイ』で北朝鮮のムーン将軍を演じ、国際的な知名度を高めました。

私生活では、1994年に女優のチャオ・チャオ（焦姣）と結婚しました。

日本のヘアカラーメーカー・ホーユーの製品「Bigen」の香港におけるテレビCMに40年以上にわたって出演し、長年映像が録り直されなかったため、「若かりし頃の姿を見ることができる」と評判でした。2013年には、同社の「サロン・ド・プロ」のCMに出演し、「いつまでも若々しいキャラ」として高評価を得ました。

晩年は台湾に在住し、聴覚障害を発症し、ほとんど聴力を失っていたと伝えられています。

2022年4月25日、シンガポールに旅行し、香港のザ・カオルーンホテルにて隔離中であった2022年4月27日、ホテルの一室で倒れているところを発見され、その後死亡が確認されました。死亡前日の新型コロナウイルス検査では陰性判定が出ていました。

主な出演作品

テレビドラマ

射鵰英雄伝（香港TVB・1983年） - 黄薬師 役
真情（香港TVB・1997年 - 1999年）
流星花園II（台湾CTS・2001年）
スタン・リーのラッキーマン Stan Lee's Lucky Man (Sky One・2016年-2018年)

映画

チャイナスキャンダル・艶舞（1983年、にっかつロマンポルノ&ゴールデン・ハーベスト合作）
北京オペラブルース（1986年）
男たちの挽歌（1986年） - キン 役
男たちの挽歌 II（1987年） - キン 役
狼 男たちの挽歌・最終章（1989年）
チャイナシャドー（1990年）
狼たちの絆（1991年）
ポリス・ストーリー3（1992年） - チャイバ 役
美少年の恋（1998年）
リプレイスメント・キラー (1998年)
ラッシュアワー2（2001年）
007 ダイ・アナザー・デイ（2002年） - ムーン将軍 役
SAYURI（2005年、日中米合作）
ジャスト・ア・ヒーロー（2011年）
星空（2011年）
盗聴犯 狙われたブローカー（2012年）
インターセプション -盗聴戦-（2014年）
唐人街探偵 NEW YORK MISSION（2018年）

外部リンク

* Kenneth Tsang - IMDb（英語）

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