ケビン・ワコーズ

ケビン・ワコーズ - プロレス界の悪役 "ネイルズ"

ケビン・ワコーズ（Kevin Patrick Wacholz）は、1958年4月17日生まれのアメリカ合衆国出身の元プロレスラーであり、特にWWFにおける囚人キャラクター「ネイルズ」で広く知られています。彼はミネソタ州ブルーミントンで生まれ、プロレスの道を歩み始めました。

プロレスのキャリアの始まり

1982年、ワコーズはミネソタ州ミネアポリスにあるAWA（アメリカン・レスリング・アソシエーション）でリングネーム「ケビン・ケリー」としてデビューしました。プロレス界での初期キャリアを積む中で、彼はテキサス州ダラスのWCCW（ワールド・クラス・チャンピオンシップ・レスリング）やビル・ワット主催のMSWA（ミッドサウス・レスリング・アソシエーション）などを転戦しました。最初はベビーフェイス（良い役）として活躍していましたが、1986年からはAWAで「ミスター・マグニフィセント」の名のもと、金髪のマッチョマンとしてヒール（悪役）に転向しました。

日本でのキャリア

彼のキャリアの中で、日本にも何度か訪れ、最初の来日は1986年8月に新日本プロレスでありました。その後、1990年6月にはFMWに「プロボクサー」として参戦し、ディック・マードックとの異種格闘技戦を行いました。こうして彼は日本のリングでも存在感を示しました。

WWFでの変貌

1992年、AWAが崩壊した後、ワコーズはWWF（ワールド・レスリング・フェデレーション）との契約を結びました。しかし、入団当初から彼の見た目は変わり、トレードマークであった金髪のロングヘアは薄くなり、これに伴い過去の伊達男キャラクターは影を潜めました。そこで彼は囚人ギミック「ネイルズ」として新たなキャラクターを創り上げました。ネイルズは看守ギミックのビッグ・ボスマンとの抗争を展開し、自身がかつて服役していた刑務所で看守をしていたボスマンへの復讐を果たすためにWWFに登場したという設定で、観客の心を掴みました。

ネイルズのキャラクターとスタイル

ネイルズのリングインは、まるで脱獄をイメージさせるようにサードロープの下から潜り込むスタイルで行われました。また、ファイトスタイルもラフファイトに特化し、殴る・蹴る・絞めるといった凶悪な攻撃が特徴的でした。さらに、ジ・アンダーテイカーとの抗争も盛り上がりましたが、ビンス・マクマホンに対する暴行事件を起こし、契約から僅か1年も経たずに1992年末にWWFを解雇されてしまいます。

WCWとその後の活動

その後、1993年にWCWに登場し、ここでも「ザ・プリズナー」と名乗り囚人ギミックを続行しましたが、長続きせずに早期離脱しました。1994年8月にはネイルズ名義で新日本プロレスに再登場し、G1クライマックスやSGタッグリーグ戦に参戦しました。

以降も彼はネイルズ名義を使用し続け、1996年にはシカゴのインディー団体AWFにて試合をし、プロレス界での存在感を保っていました。WWFを解雇された彼は、ステロイド裁判においてはWWFに不利な証言を行っていました。

2000年にはプロレスから引退し、故郷のミネソタで静かに生活をしているとのことです。彼のプロレス界での成功とキャラクターは、多くのファンの記憶に刻まれています。

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