アメリカン・レスリング・アソシエーション

アメリカン・レスリング・アソシエーション（AWA）

アメリカン・レスリング・アソシエーション（AWA）は、1960年に設立され、アメリカのプロレス界で大きな影響を与えた団体です。本拠地はミネアポリスで、特にアメリカ北部やカナダのウィニペグを中心に活動していました。元NWAメンバーであるバーン・ガニアがこの組織を創り上げ、彼が実権を握る形で運営が行われました。

設立と初期の展開

1960年5月、バーン・ガニアはミネソタ地方のプロモーターたちと協力し、NWAを離脱してAWAを設立しました。AWAは一見するとプロモーターの連合体として運営されていましたが、実際にはガニアの手によって統一された団体として機能していました。AWAのフラッグシップタイトルはAWA世界ヘビー級王座であり、初代王者にはNWA世界ヘビー級王者のパット・オコーナーが独自に認定されました。売れっ子レスラーだったオコーナーは、ガニアとの試合を拒否したため、ガニアが次第にタイトルを手にし、彼が団体の中心となっていきました。

また、この時期にはAWA世界タッグ王座が設立され、初代王者として以前のNWA世界タッグ王者たちが引き続き認定されました。AWAは全米のプロレス団体の中でも重要な地位を占め、アンドレ・ザ・ジャイアントやハルク・ホーガンなど名レスラーたちの登竜門として知られていました。

成長と教育制度

AWAは1970年代にプロレスラーの養成所「ガニア・キャンプ」を設立し、ここで多くの有名レスラーが育成されました。ガニア自身の指導のもと、リック・フレアーやリッキー・スティムボートらがここから巣立ち、後に世界的選手として名を馳せました。この時期、AWAは日本の国際プロレス、全日本プロレス、さらにはWWAやCWAと提携し、興行の幅を広げ、勢力を増していきました。

競争と崩壊

しかし、1980年代に入ると、WWFの全国的な拡張によってAWAは厳しい競争に直面します。WWFがAWAの主力レスラーやスタッフを引き抜く中、AWAの人気は低下し、収入も減少していきました。団体は「プロレスリングUSA」という合弁事業を立ち上げ、他の団体と合同興行を行いましたが、内部問題や観客動員数の減少が続き、徐々に力を失っていきました。

1991年、AWAは活動を停止しました。その後、団体の権利はWWF（現WWE）に売却され、過去の試合がWWEのビデオオンデマンドサービスで配信されることになりました。

日本との関係

日本においては、1970年に国際プロレスとの提携を結び、AWAのレスラーたちが日本に進出しました。そして、1980年代末には新日本プロレスとも関係を持つようになり、AWA世界女子王者のシェリー・マーテルが来日しました。

タイトルと選手

AWAが誇るタイトルには、AWA世界ヘビー級王座やAWA世界タッグ王座などがあり、多くの著名なレスラーたちがこの栄誉を手にしました。特にジャンボ鶴田、マサ斎藤などの日本人レスラーもこの王座の獲得に成功しました。

AWAは短い歴史ながら、多くの伝説を生み出し、プロレスにおいて大きな影響を与えた団体であり続けています。

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