ケプラー102

ケプラー102

ケプラー102（英語: Kepler-102）は、地球から見てこと座の方向に約350光年離れた宇宙空間に存在する恒星です。この星はスペクトル分類でK型に属する主系列星であり、私たちの太陽と比較すると、やや小さく低温であるという特徴を持っています。

恒星の性質

ケプラー102は、太陽の質量を1とした場合、約0.8倍の質量を持つと推定されています。また、その半径は太陽の約4分の3程度です。表面温度は約4,900K（ケルビン）と測定されており、これは太陽の約5,772Kと比べるとかなり低い温度です。これらの数値から、ケプラー102は太陽よりもやや小型で冷たいタイプの恒星であることがわかります。

惑星系の発見

2014年、NASAが運用するケプラー宇宙望遠鏡の観測データが解析された結果、ケプラー102の周囲を公転する5つの太陽系外惑星が発見されました。これらの惑星は、トランジット法と呼ばれる手法、すなわち惑星が恒星の手前を横切る際に発生する恒星の明るさのわずかな変化を捉えることでその存在が確認されました。

惑星系の特徴

ケプラー102の惑星系を構成する5つの惑星は、その大きさからいずれも地球のような岩石でできた惑星である可能性が高いと考えられています。特に注目すべきは、5つのうち3つの惑星、すなわちケプラー102b、ケプラー102c、そしてケプラー102fが非常に小さいサイズであることです。

ケプラー102b: 直径が地球の約47%程度と、これらの惑星の中では最も小さい。発見当時は、これまで見つかっていた太陽系外惑星の中でも特に小さな部類に属するとして関心を集めました。
ケプラー102c: 直径は地球の約58%程度です。
ケプラー102f: 直径は地球の約88%程度と、地球よりやや小さいサイズです。

しかし、これらの惑星が恒星のケプラー102から非常に近い距離を公転していることが、この惑星系の大きな特徴です。5つの惑星の中で、最も恒星から離れて軌道を描いていると見られるケプラー102fでさえ、恒星からの距離は約0.165天文単位（AU）しかありません。これはおよそ2470万キロメートルに相当し、地球から太陽までの距離（1 AU、約1億5千万キロメートル）と比べると極めて近い距離です。

過酷な環境

恒星に近い軌道を公転しているため、これらの惑星の表面温度は非常に高くなると推定されています。最も恒星から遠いケプラー102fですら、表面温度は約457K（摂氏約184℃）に達すると見られています。最も恒星に近い惑星では、その表面温度はさらに上昇し、約792K（摂氏約519℃）にもなると計算されています。このような高温環境は、現在の科学的知見に基づくと、液体の水が存在し、生命が誕生・維持されるためには極めて過酷であると考えられています。

ケプラー102系の惑星は、そのサイズから岩石惑星と推定されるものの、恒星からの距離が近すぎるために、生命居住には適さない環境である可能性が高いと結論づけられています。

関連情報

ケプラー102bは発見当時、非常に小さい惑星として注目されましたが、その後に発見されたケプラー37bは、地球の約30%というさらに小さな直径を持つことが確認されており、現在のところ発見されている太陽系外惑星の中で最も小さい記録を保持しています。

ケプラー102系を含む太陽系外惑星の研究は、多様な惑星系の存在様式や惑星形成の過程を理解する上で、重要なデータを提供しています。

こと座に位置する他の恒星や天体
ケプラー宇宙望遠鏡による他の発見事例
ケプラー37bのような極小惑星

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