ケプラー421b

ケプラー421b

ケプラー421bは、地球から約1040光年離れたこと座の方向に位置する太陽系外惑星です。主星であるケプラー421は、太陽に比べてやや暗いG9型あるいはK0型の主系列星に分類されます。

この惑星は、恒星の手前を横切る際に生じるわずかな明るさの変化を捉える「トランジット法」によって発見されました。従来のトランジット法による発見は、主星のすぐ近くを短時間で公転する惑星が中心でした。これは、遠方の軌道にある惑星が偶然にも地球から見て主星の前を通過する軌道をとる確率が低いことによります。しかし、ケプラー421bは主星から1.219天文単位（太陽系における地球と火星の軌道の間隔に相当）離れた軌道を、約2年という比較的長い時間をかけて一周しています。発見された当時、トランジット法で確認された惑星としては最も公転周期が長い記録を樹立しました。この特異な発見は、トランジット法でも遠方の惑星を見つける可能性を示唆しました。

ケプラー421bの軌道は、太陽系における「スノーライン」（水が氷となる境界）の外側に位置していると考えられています。トランジット法で見つかった惑星で、スノーラインより外側を公転している最初の例としても知られています。多くの巨大ガス惑星は、スノーラインの外側で形成された後、主星の近くへと移動（惑星移動）すると考えられていますが、ケプラー421bはこのように大きな軌道移動を経験しなかった可能性があると推測されています。

物理的な特徴としては、天王星に似たサイズのガス惑星であると推定されています。半径は木星の約0.371倍、地球の約4.16倍に相当します。主星が太陽より暗いため、この惑星の平衡温度は184 K（セ氏マイナス89度）と計算されており、表面は低温であると考えられます。

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