ケルベルス (小惑星)

ケルベルス (1865 Cerberus) について

ケルベルスは、アポロ群に分類される地球近傍小惑星の一つです。この小惑星は、太陽系の内側を大きく動き回る軌道を持っているため、地球をはじめとする惑星に接近する機会が多いのが特徴です。

軌道の特性

ケルベルスの公転軌道は、非常に偏った楕円形をしています。具体的には、軌道離心率が0.4669と大きく、太陽に最も近づく近日点では金星の軌道よりも内側に入り込み、遠日点では火星の軌道に接近します。この軌道の傾斜角は16.10度と比較的緩やかで、黄道面に対してあまり傾いていません。これらの特徴から、ケルベルスは金星、地球、火星に頻繁に接近する小惑星として知られています。

公転周期は1.12年と短く、ほぼ毎年地球に接近するものの、約6年間は地球に接近しない期間も存在します。直近では2010年5月21日から2016年11月8日までがその空白期間でした。これは、小惑星の軌道が複雑に変化するため、接近のタイミングが一定ではないことを示しています。

物理的な特徴

ケルベルスの直径は約1.2kmと推定されており、比較的大きな小惑星です。スペクトル分類ではS型に分類されており、これは岩石質の小惑星であることを示唆しています。アルベド（反射率）は0.22と比較的高い値を示しており、これは表面が比較的明るいことを意味します。また、自転周期は6.8039時間と比較的速く、約7時間弱で1回転していることがわかります。

その他の情報

ケルベルスという名前は、ギリシャ神話に登場する冥界の番犬ケルベロスに由来しています。この名前が小惑星に採用された背景には、この小惑星が持つ複雑な軌道や、太陽系内を動き回る様子が、冥界の番犬のイメージと重なったという説があります。

なお、冥王星の衛星にも「ケルベロス」という名前が使われていますが、これは小惑星の「ケルベルス（Cerberus）」との混同を避けるため、古代ギリシャ語の発音に近い「ケルベロス（Kerberos）」という名前が用いられています。このことからも、天文学における命名の重要性と、細やかな配慮が見られます。

ケルベルスは、地球近傍小惑星として、その軌道や物理的特性が引き続き研究されています。その動向は、地球への影響を予測する上で重要な情報源となる可能性があります。

出典

(出典に関する情報が提供されていれば、ここに記載します)

関連項目

小惑星の一覧 (1001-2000)
* 名前が重複している太陽系内の天体

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