ケルンのブルーノ

ケルンのブルーノ

ケルンのブルーノ（1030年頃 - 1101年10月6日）は、カトリック教会の聖職者であり、カルトジオ会の創設者として知られています。彼はランスで教師として名声を博し、その弁論術、詩の才能、哲学、そして神学の知識は高く評価されていました。また、ローマ教皇ウルバヌス2世の助言者としても知られています。

生涯

ブルーノはランス大聖堂付属学校で人文学と神学を学び、その後ケルンに戻り聖クニベルト教会付きのカノン僧となりました。1056年にはランスに呼び戻され、付属学校の神学教師となり、翌年には学長に就任しました。彼は1057年から1075年までの約12年間、歴代の学長たちが築いた名声を維持し、さらに高めました。

1075年、ブルーノはランス教区の参事官に任命され、教区行政に携わるようになりました。しかし、当時の大司教マナッセ・ド・グルネーは聖職者としてふさわしくない人物であり、ブルーノは彼と対立することになります。1077年、ブルーノはド・グルネーを教会会議に査問しましたが、ド・グルネーは権力闘争で対抗し、ブルーノをランスから追放しました。民衆の暴動により追放は撤回されましたが、ド・グルネーはハインリヒ4世のもとへ逃亡しました。

司教への就任を辞退

ランスではブルーノを司教に望む声が高まりましたが、彼は世俗的なことに関わることを避けるため、これを辞退しました。隠棲の志を持っていたブルーノは、ケルン時代の友人と共に隠修士モレームのロベールの指導を受けますが、ほどなくして自分の召命がそこにはないことを悟ります。その後、6人の同志と共にグルノーブル司教ユーグのもとへ向かい、1084年にグランド・シャルトルーズにカルトジオ会を創設しました。彼らは質素な生活を送りながら、祈りと研究に没頭しました。

教皇ウルバヌス2世の協力者

ブルーノの弟子であったシャティヨンのユードがウルバヌス2世として即位すると、彼は師であるブルーノをローマに召喚し、協力者として迎えました。ブルーノは教皇の側近として働きながらも、権力闘争からは身を distanceを置き、黒子として徹しました。彼はクレルモン教会会議には出席しませんでしたが、ベネヴェント教会会議には出席したようです。

南イタリアでの隠棲生活

ハインリヒ4世の南下により、教皇側は南イタリアへ疎開しました。ブルーノはレッジョ・カラブリアで大司教への就任を要請されますが、これを固辞し、グルノーブルでの隠棲生活に戻りたいという意志を示しました。しかし、教皇の意向によりイタリアに留まり、1091年にスクィラーチェ教区内で新しい隠修共同体を始めました。シチリア兼カラブリア伯ルッジェーロ1世が彼らの庇護者となり、土地を寄進しました。

1101年10月6日、ブルーノは息を引き取りました。カトリック教会が彼を正式に列聖するまでには数世紀を要しましたが、16世紀から17世紀にかけて、カラブリアではすでにこの地方の守護聖人とみなされるようになっていました。

業績

ブルーノは修道会創設者であると同時に著述家でもあり、詩篇とパウロ書簡についての注釈を残しています。また、信仰について述べた書簡や、この世のはかなさについての哀歌も残されています。彼の聖書についての註解からは、彼がヘブライ語とギリシア語を理解していたことがわかります。また、教父アウグスティヌスとアンブロジウスの著作に親しんでいました。

カトリックの聖画像においては、ブルーノは通常、されこうべを持ち、十字架と本を持って観想する姿で描かれています。彼の光輪にはしばしば七つの星が描かれています。

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