ケルン級フリゲート

ケルン級フリゲート（Köln-class Frigate）

ケルン級フリゲートは、ドイツ連邦海軍において運用された艦艇の艦級の一つであり、正式には120型（Klasse 120）として知られています。この艦級は、第二次世界大戦後のドイツにおける海軍の復興を象徴する艦艇であり、冷戦時代における重要な役割を担っていました。

歴史的背景

1945年以降、ドイツは連合軍により非武装化されましたが、1949年にはドイツ連邦共和国が設立され、海軍の再建が進みました。1955年に連邦軍が設置され、翌年には海軍である連邦海軍が設立されました。1956年5月、連邦議会は新たな艦艇の建造計画を承認し、この計画に基づいてケルン級フリゲートの建造が始まりました。

設計は1955年から進められ、初の艦艇が1957年に発注されましたが、実際の竣工は数年を要しました。そのため、アメリカおよびイギリスからの艦艇の譲渡を受けることになりました。このように、ケルン級は戦後のドイツ海軍の発展の中で重要な位置付けを持つ艦でした。

設計の特徴

ケルン級フリゲートは、ドイツ海軍が初めて建造した大型戦闘艦であり、世界初のCODAG（ディーゼル=ガスタービン複合機関）を備えた艦でもあります。主機関には4基のディーゼルエンジンと2基のガスタービンエンジンが組み合わされ、550hpのディーゼル発電機も搭載されていました。この組み合わせにより、高い機動性と発進力を持つ艦が実現されました。

さらに、本級は平甲板型の船体を採用し、13個の水密区画に区分されているため、安全性も確保されています。技術的には新しい機器が多く取り入れられており、戦後の海軍艦船の設計において革新的な役割を果たしました。

装備と性能

ケルン級の装備は主に対潜戦に重点を置いています。533mmの短魚雷発射管や375mmの対潜ロケット発射機が搭載されており、これにより水中での敵潜水艦に対して効果的な攻撃能力を持っています。また、CWE-10/PAE-1という複合ソナーシステムを使用し、潜水艦の探知と攻撃をサポートするためのセンサーも整備されています。

対空および対水上火力のためには、100mm単装砲と新型の40mm機関砲が搭載されており、砲装型フリゲートの特性を備えています。しかし、他の最新技術、特にミサイルシステムやヘリコプター運用設備に関しては限定的であり、発展の余地が少ない点が指摘されています。

運用と退役

1957年から1964年にかけて西ドイツのストラッケン&ゾーン造船所で6隻が建造され、1961年から順次就役しました。これらの艦は、1970年代から1980年代まで西ドイツ海軍の主力として活躍し、しかし性能の限定性から後継艦であるブレーメン級の就役に伴い、1989年までに全艦が退役しました。退役後、3隻がトルコ海軍に譲渡されましたが、1994年までに運用を終了しました。

このように、ケルン級フリゲートはドイツ連邦海軍の歴史において重要な役割を果たし、戦後の海軍再建における象徴的存在として評価されています。

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