ケンタッキー州会議事堂

ケンタッキー州会議事堂は、アメリカ合衆国ケンタッキー州の州都フランクフォートに位置し、同州議会の議事堂として機能しています。この建物は、ケンタッキー州政府の立法・行政・司法の三権すべての中枢を担っており、州にとって非常に重要な役割を果たしています。

現在の庁舎は1910年に開館したもので、ケンタッキー州が1792年に創設されてから4代目にあたります。初代と2代目の庁舎は火災で焼失しており、3代目の庁舎は「旧州会議事堂」と呼ばれ、1910年まで使用されました。この3代目の庁舎も、1971年に国家歴史登録財に登録され、現在はケンタッキー歴史協会によって運営される博物館となっています。

1899年の州知事選での大接戦後、選出された民主党のウィリアム・ゴーベルは、1900年1月30日に就任式に向かう途中で暗殺され、その4日後に亡くなるという事件が発生しました。この事件を契機に、3代目の庁舎は手狭となり、新しい庁舎の建設が決定しました。

1904年、ケンタッキー州議会はフランクフォートを州都と定め、新しい州会議事堂の建設に100万ドルの予算を承認しました。この庁舎はフランク・ミルズ・アンドリュースによって設計され、ボザール様式が採用されました。フランス風の内装設計も随所に組み込まれており、特に階段はパリのオペラ座のものを模倣しています。1905年8月14日に着工し、4年後の1909年に完成、総工費は1,180,434ドル80セントでした。翌1910年6月2日に開館しました。

ケンタッキー州会議事堂の主要部分は3階建てで構成されています。1階には州知事室、州副知事室、州務長官室、州司法長官室が配置されています。ロタンダには、エイブラハム・リンカーンをはじめとする著名なケンタッキー州出身者の像が立ち並び、ケンタッキー女性殿堂も設置されています。2階は州最高裁判所などの司法機関が中心で、州法図書館も近くにあります。3階には州議会の上下両院の本会議場や議長の事務所など立法機関の主要施設があります。

議事堂には部分的に4階もあり、上下両院法会議場の傍聴席や州立法府委員会の事務所が置かれています。地下1階には事務官や保守作業員の事務所、土産物屋や昼食カウンターがあります。また、地下からは別館に通じるトンネルがあり、委員会室や議員室、カフェテリアがあります。

議事堂は通常の営業時間内には一般公開されており、地元住民が運動のために大理石の廊下を歩く姿もよく見られます。現在では、州の認証書を持たない者は、議事堂に入る際に金属探知機を通る必要があります。議事堂とその敷地の安全は、ケンタッキー州警察の施設安全支局と、特別に配備された州兵によって守られています。

この会議事堂は、ケンタッキー州の歴史と政治の中心であり、その美しい建築と内部装飾は、訪れる人々に深い印象を与えます。

関連情報として、アメリカ合衆国の州会議事堂の一覧や、ケンタッキー州会議事堂の公式サイト、旧州会議事堂を紹介するケンタッキー州歴史協会のページ、ケンタッキー州務長官のサイトなどがあります。また、ウィキメディア・コモンズには、ケンタッキー州会議事堂に関連する画像や資料が多数収録されています。

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