ケント・テカルヴ

ケント・テカルヴ：タフネスを誇ったアンダースローのリリーバー

ケント・テカルヴ（Kenton Charles Tekulve）は、1947年3月5日、オハイオ州シンシナティ生まれのアメリカ合衆国の元プロ野球選手です。右投右打で、現役時代はアンダースローの投球フォームとサングラスがトレードマークでした。日本のマスメディアでは「テカルビー」と表記されることもありました。

プロ入りとパイレーツでの活躍

マリエッタ大学卒業後、1969年にドラフト外でピッツバーグ・パイレーツに入団。1974年5月20日にメジャーデビューを果たし、サイドスローから繰り出すボールとタフさを武器にリリーフとして活躍しました。

1978年にはリーグトップの91試合に登板し、31セーブ、防御率2.33を記録。サイ・ヤング賞の投票で5位、MVP投票で13位に選ばれるなど、キャリア最高のシーズンを送りました。1979年も94試合に登板し、31セーブ、防御率2.75を記録。ボルチモア・オリオールズとのワールドシリーズでは3セーブを挙げ、パイレーツの世界一に大きく貢献しました。1980年にはオールスターゲームに選出されています。

キャリア晩年：フィリーズ、レッズでのプレー

1985年シーズン開幕直後、アル・ホーランドとのトレードでフィラデルフィア・フィリーズに移籍。フィリーズでは主に中継ぎとして登板し、1987年には40歳にして90試合に登板するという記録を達成しました。1989年には地元球団のシンシナティ・レッズにトレードされ、37試合に登板しましたが、防御率は5点台と振るわず、同年7月、現役引退を表明しました。

引退後

引退後はパイレーツ戦の解説者（1991年 - 1997年）を務め、その後、独立リーグのフロンティア・リーグに参加。2006年には古巣パイレーツのスコアラーに就任しました。現在はFNSでパイレーツ戦の解説を務めています。

記録

ケント・テカルヴは、頑丈で優秀なリリーバーとして40代まで活躍し、多くのMLB記録を保持しています。

1050試合登板：歴代9位（2019年シーズン終了時点）
3シーズンで90試合登板を達成（マイク・マーシャルと並ぶMLBタイ記録）
40代で90試合登板：MLB記録
リリーフでの投球回数1436.2：ナショナルリーグ記録
与故意四球179個：MLB記録

タイトル

オールスター選出：1回 (1980年)
* 最多登板：4回 (1978年、1979年、1982年、1987年)

ケント・テカルヴは、その独特な投球フォームとタフなプレースタイルで、多くのファンを魅了した名リリーバーとして記憶されています。

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