ケン・オブライエン (アメリカンフットボール)

ケン・オブライエン：伝説のQBの軌跡

ケン・オブライエン（Kenneth John O'Brien、1960年11月27日生まれ）は、ニューヨーク州ロングアイランド出身のアメリカンフットボール選手です。NFLのニューヨーク・ジェッツとフィラデルフィア・イーグルスでQBとして活躍し、その名を歴史に刻みました。

大学時代

オブライエンは、カリフォルニア州の高校からサクラメント州立大学に進学後、カリフォルニア大学デービス校に転校しました。1982年には、ディビジョンIIのオールアメリカンに選出される活躍を見せました。彼の率いるオフェンスは、チームをディビジョンIIのチャンピオンシップゲームへと導き、全体2位、パスオフェンス3位という目覚ましい成績を収めました。また、カンファレンスの最優秀攻撃選手に贈られるベイブ・スレイター賞を受賞するなど、数々の栄誉に輝きました。オールファーウェスタンカンファレンスの最優秀QBには3度選出され、1997年にはカレッジフットボール殿堂入りを果たしています。

NFLでの活躍

1983年のNFLドラフトで、オブライエンは1巡目全体24位でニューヨーク・ジェッツに入団しました。このドラフトでは、後に名を馳せるダン・マリーノよりも先に指名されました。1985年には、パス488本中297本を成功させ、3888ヤード、25タッチダウン、8インターセプトという素晴らしい成績で、NFLトップのQBレイティングを獲得し、プロボウルにも選出されました。また、1985年、1987年、1988年と被インターセプト率最少のQBにも輝いています。

オブライエンの活躍により、ジェッツは1985年に11勝5敗、1986年には開幕から10勝1敗という好成績を収めました。しかし、オブライエンの負傷や他のキープレイヤーの負傷が重なり、チームはその後5連敗を喫してしまいます。1986年9月21日のマイアミ・ドルフィンズ戦では、ダン・マリーノとの壮絶な投げ合いを演じ、479ヤードを投げました。この試合で2人が記録した合計パス獲得ヤード927ヤードは、1試合におけるNFL記録として今もなお語り継がれています。同年11月2日のシアトル・シーホークス戦では、431ヤードを投げるとともに、パーフェクトレイティングとなる158.3を記録しました。

1990年に初めて開催されたQBチャレンジでは優勝を果たし、1991年にも準優勝するなど、その実力を改めて証明しました。

1992年シーズン途中から先発QBの座を奪われ、1993年にはグリーンベイ・パッカーズに放出されました。その後、フィラデルフィア・イーグルスに加入し、1993年シーズンを最後に現役を引退しました。現役11年間で25,000ヤードを超える成績を残し、NFL史にその名を刻みました。

引退後

引退後、オブライエンはUSC（南カリフォルニア大学）のアシスタントコーチに就任し、ハイズマン賞を受賞したカーソン・パーマーの指導にあたりました。

プレースタイル

オブライエンは、スティーブ・ディバーグと並んでプレイアクションパスの名手として知られていました。彼の正確なパスと冷静な判断力は、多くのファンを魅了しました。

ケン・オブライエンは、その卓越した才能と努力によって、NFL史に輝かしい足跡を残した伝説のQBです。

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