ケヴィン・オコネル

ケビン・オコネル：ハリウッドの匠が掴んだ栄光

ケビン・オコネル（1957年生まれ）は、アメリカ合衆国の伝説的なサウンドエンジニアです。ニューヨーク州ロングアイランド出身、カリフォルニア州ロサンゼルスで育ちました。彼のキャリアは、18歳で20世紀フォックス・スタジオの映写技師としてスタート。その後、労働組合の審査に落ちたことをきっかけに、ロサンゼルス郡消防士として1年間勤務するという異色の経歴も持ちます。

1978年、ワーナー・ハリウッド・スタジオ（サミュエル・ゴールドウィン・スタジオ）のマシンルーム・オペレーターとして映画業界に本格的に復帰。『グリース』（1978年）などを手がけ、録音技術者としての道を歩み始めます。そして、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』（1980年）で初めてクレジットを獲得、さらに『スティーブ・マーティンの 四つ数えろ』（1982年）ではサウンドミキサーとしてクレジットされるなど、着実にキャリアを積み重ねました。

1993年、ソニー・ピクチャーズに入社し、スーパーバイジング・サウンドミキサーとして活躍。数々のハリウッド大作に携わり、その名を世界に轟かせます。『アルマゲドン』（1998年）、『スパイダーマン』（2002年）、『トランスフォーマー』（2007年）など、現代映画史に残る作品の数々に貢献しました。2013年にはトッド・サウンデラックスに所属し、2015年にはソニー・ピクチャーズに復帰するなど、映画業界における彼の存在感は揺るぎないものでした。

アカデミー賞との深い関わりも特筆すべき点です。2007年までに実に20作品で18回ものアカデミー賞録音賞にノミネートされながら、受賞とは無縁でした。「アカデミー賞史上最も不運な候補者」とも言われたオコネルですが、ついに第89回アカデミー賞で『ハクソー・リッジ』が受賞を果たし、長年の努力が実を結びました。これは、彼の類まれな才能と、映画制作への情熱の証と言えるでしょう。

彼のキャリアは、数々の名作への貢献のみならず、映画芸術科学アカデミー理事会のサウンド・ブランチ代表を務めたという事実にも示されています。その長年の経験と知識は、後進の育成にも大きく貢献したことは想像に難くありません。

私生活では、2001年に結婚。仕事と家庭の両立を図りながら、ハリウッドの第一線で活躍し続けました。

以下は、オコネルがアカデミー賞録音賞にノミネートされた作品の一部です。惜しくも受賞を逃した作品が並ぶ中、彼の卓越した技術とセンスが垣間見えます。

愛と追憶の日々 (1983)
デューン/砂の惑星 (1984)
シルバラード (1985)
トップガン (1986)
ブラック・レイン (1989)
デイズ・オブ・サンダー (1990)
ア・フュー・グッドメン (1992)
クリムゾン・タイド (1995)
ツイスター (1996)
ザ・ロック (1996)
コン・エアー (1997)
マスク・オブ・ゾロ (1998)
アルマゲドン (1998)
パトリオット (2000)
パールハーバー (2001)
スパイダーマン (2002)
スパイダーマン2 (2004)
SAYURI (2005)
アポカリプト (2006)
トランスフォーマー (2007)
* 受賞 - ハクソー・リッジ (2016)

ケビン・オコネルの物語は、才能と努力、そして不屈の精神が実を結ぶことの素晴らしさを示す、感動的なサクセスストーリーです。彼の功績は、これからも多くの映画人たちにインスピレーションを与え続けるでしょう。

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