ケーテー自動車工業

ケーテー自動車工業株式会社：自動車整備から多角経営へ発展した歴史

ケーテー自動車工業株式会社は、大阪府枚方市に本社を置く、自動車整備を主とする会社です。その歴史は、京阪電気鉄道と帝国ピストンリング（現TPR）という、異なる業界の企業による共同出資から始まりました。社名である「ケーテー」は、それぞれの出資企業の頭文字「K」と「T」を組み合わせたものです。

創業当初は自動車整備事業に特化していましたが、高度経済成長期には建設業界の活況を受け、キャタピラー三菱（当時）の指定工場として重機整備にも進出しました。さらに、久保田鉄工（当時）のトラッククレーンなどの組み立てを受注するようになり、重機関連の事業を強化するため、重機部を設立しました。

しかし、高度経済成長期の終焉とともに重機関連の需要は減少しました。そこで、それまで顧客要望に対応する形で培ってきた中古バス販売事業に本格的に参入することを決定。1976年11月には中古車部を設立し、中古バス販売、リース事業を本格展開しました。特にスクールバスなどの送迎バスや地方事業者へのリース事業は、重要な収益源となりました。

近年では、事業形態の見直しを行い、中古車部は廃止されました。現在は、本社工場において事業者向けの中古車改造販売に特化し、顧客のニーズに合わせた車両の改造・販売を行っています。例えば、おのみちバスに導入された元京阪バスの一部は、この本社工場で改造されたものです。

京阪電気鉄道グループとの関係は深く、京阪バスをはじめ、京阪京都交通、京都バス、京都京阪バスなどグループ各社と継続的に取引を行っています。しかし、その事業範囲はグループ企業のみに留まりません。西日本地区ではヨンケーレの指定サービス工場として、グループ外企業のバスやトラックの整備も積極的に行い、幅広い顧客基盤を築いています。その他、京都市交通局なども取引先としています。

現在、ケーテー自動車工業株式会社は、以下の事業を展開しています。

自動車関連事業: 自動車分解整備、修理、改造（ワンマン改造、シート改造など）、全塗装、自動車・部品・用品販売、自動車賃貸、自動車運転代行、自動車管理請負、油脂・燃料販売
産業機械関連事業: 産業機械分解整備、修理、改造、産業機械・部品・用品販売、産業機械賃貸
保険関連事業: 損害保険代理業、自動車損害賠償保障法に基づく保険代理業

創業以来培ってきた自動車整備技術を基盤に、時代の変化に対応し、事業を多角化してきたケーテー自動車工業株式会社。今後も、顧客のニーズを捉え、地域社会に貢献する企業として、発展を続けることが期待されます。

参考文献

バスラマ・インターナショナル23号「中古バス販売会社を訪ねて」（ぽると出版・1994年5月）

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