ケープオブグッドホープ

ケープオブグッドホープ：短距離の王者、その栄光と激闘の軌跡

ケープオブグッドホープ。その名は、喜望峰を意味する。この名馬は、香港を舞台に、類まれな短距離の才能で数々の名勝負を繰り広げた競走馬である。2005年には、オーストラリアとイギリスのG1競走を制覇。グローバル・スプリント・チャレンジ初代優勝馬という輝かしいタイトルも手にした。

ケープオブグッドホープのキャリアは、イギリスで幕を開けた。1歳時にはドンカスターの競売に上場され、調教師デビッド・エルスワース氏に購入される。2001年4月、イギリスでデビュー。その後、香港のデビッド・オートン厩舎に移籍する。香港での活躍は目覚ましく、1000メートル戦で3連勝を飾るなど短距離のスペシャリストとしての才能を開花させた。

香港での主要レースでは、香港スプリントなどG1競走でも上位に食い込む活躍を見せるが、サイレントウィットネスという強豪の存在が常に立ちはだかった。香港短距離三冠では、3戦全てでサイレントウィットネスに敗れながらも、その実力を示した。

2004年には、イギリス遠征を敢行。キングズスタンドステークスで2着、ゴールデンジュビリーステークスで3着と好成績を残す。さらに、日本のスプリンターズステークスでも3着に入るなど、国境を越えた安定したパフォーマンスを見せた。香港でのレースでは、サイレントウィットネスとの対戦が続き、常にその強さを実感させられた。

2005年、ケープオブグッドホープは新たな目標を掲げる。新たに創設されたグローバル・スプリント・チャレンジ（GSC）への挑戦である。まずオーストラリア遠征。ライトニングステークスで3着の後、オーストラリアステークスでG1初制覇を果たす。香港調教馬による香港国外でのG1制覇という快挙達成である。

香港に戻り、センテナリースプリントカップ、チェアマンズスプリントプライズと出走するも、サイレントウィットネスの前に敗れる。しかし、再びイギリス遠征。GSC第3戦のキングズスタンドステークスで4着に入るも、続く第4戦ゴールデンジュビリーステークスでは、激闘の末に優勝。GSCシリーズ総合優勝を確定させた。

2004/2005年シーズンの香港ジョッキークラブの年度表彰では、特別賞を受賞。その活躍は高く評価された。しかし、GSC最終戦のスプリンターズステークスでは、まさかの11着と敗退。ライバル、サイレントウィットネスとの対戦成績は11戦全敗という結果に終わった。

その後、オーストラリア遠征を経て香港に戻り、2006年のライトニングステークスに出走。しかし、左前脚の靭帯を負傷し、オーストラリアステークスを回避。この故障が原因で、現役引退を決意する。2006年7月2日、シャティン競馬場で引退式が行われた。

ケープオブグッドホープは、44戦7勝の戦績を残した。2着7回、3着10回と、常に上位争いを演じた名馬である。サイレントウィットネスという強大なライバルとの対戦は、ケープオブグッドホープのキャリアを象徴する激闘であり、多くの競馬ファンに記憶に残るものとなった。短距離界の王者として、その名を刻み込んだ。 彼の活躍は、香港競馬史に、そして世界競馬史に、鮮やかに刻まれた。

年度別競走成績

2001年（3戦1勝）※香港移籍前
2001/2002年（5戦2勝）
2002/2003年（10戦2勝）2着：チェアマンズスプリントプライズ（香港G1）
2003/2004年（12戦0勝）2着：センテナリースプリントカップ、チェアマンズスプリントプライズ（香港G1）、キングズスタンドステークス（英G2）、3着：香港スプリント（香港G1）、ゴールデンジュビリーステークス（英G1）、ボーヒニアスプリントトロフィー（香港G1）
2004/2005年（9戦2勝）香港年度表彰特別賞受賞。1着：オーストラリアステークス（豪G1）、ゴールデンジュビリーステークス（英G1）、2着：香港スプリント（香港G1）、3着：スプリンターズステークス（日GI）、ライトニングステークス（豪G1）、チェアマンズスプリントプライズ（香港G1）
2005/2006年（5戦0勝）3着：サリンジャーステークス（豪G1）、ジ・エイジクラシック（豪G2）、ライトニングステークス（豪G1）

通算成績：44戦7勝（2着7回、3着10回）

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