ゲイリー・ペイトン2世

ゲイリー・ペイトン2世：苦労を乗り越え掴んだ栄光

ゲイリー・ドウェイン・ペイトン2世（Gary Dwayne Payton II）は、1992年12月1日、ワシントン州シアトルに生まれました。NBAのゴールデンステート・ウォリアーズに所属し、ポイントガードとして活躍しています。彼の父は、シアトル・スーパーソニックスなどで活躍し、バスケットボール殿堂入りも果たしている名ポイントガード、ゲイリー・ペイトンです。

下積み時代とNBA入り

ペイトン2世は、2012年にユタ州のソルトレイク・コミュニティーカレッジに入学後、2014年に父の母校であるオレゴン州立大学へ転校しました。大学ではPac-12の1stチーム、ディフェンスチーム、最優秀守備選手に2年連続で選出されるなど、中心選手として活躍。親子二代でチームをNCAA男子バスケットボールトーナメントに導くという快挙も達成しました。また、年間最優秀ポイントガードに贈られるボブ・クージー賞の候補にも選ばれました。

しかし、2016年のNBAドラフトでは、どのチームからも指名を受けることができませんでした。その後、ヒューストン・ロケッツの一員としてサマーリーグに参加し、トレーニングキャンプに関する契約を締結しますが、開幕ロースターには残れず解雇。Dリーグ（現Gリーグ）のリオグランデバレー・バイパーズでプレーを続け、NBA入りを目指しました。そして、Dリーグで51得点を記録するなど活躍が認められ、2017年4月1日にミルウォーキー・バックスと契約し、念願のNBA入りを果たしました。

苦難の道のり

バックスとの契約後も、ペイトン2世のNBAでの道のりは決して平坦ではありませんでした。2017年10月にはバックスから解雇され、その後再びバックスとツーウェイ契約を結びますが、同年12月には再び解雇。2018年1月にはロサンゼルス・レイカーズとツーウェイ契約を結び、2019年12月にはワシントン・ウィザーズへ移籍するなど、チームを転々としました。

ウォリアーズでの飛躍と優勝

2021年4月、ペイトン2世はゴールデンステート・ウォリアーズと10日間契約を結びました。その後、2度目の10日間契約を経て、シーズン終了までの契約を勝ち取ります。2021-22シーズンには開幕ロースター入りを果たし、出場時間を増やしていきました。カンファレンスセミファイナルのメンフィス・グリズリーズ戦で肘を骨折し、ファイナルまで欠場しましたが、チームはNBAファイナルに進出し、ペイトン2世は第2戦から復帰。ベンチからの貴重な戦力としてチームの優勝に大きく貢献し、父ゲイリー・ペイトン・シニアと共にチャンピオンリングを獲得しました。

契約と怪我、そして復帰

シーズン終了後、FAとなったペイトン2世はポートランド・トレイルブレイザーズと3年2600万ドルの契約を結びました。しかし、オフの手術の影響で開幕から35試合を欠場。その後、2023年2月9日には、4チーム間のトレードでウォリアーズに復帰することが決まりましたが、メディカルチェックで怪我が発覚。トレードは一時破談になりかけましたが、最終的にはウォリアーズが怪我を承知の上で獲得することで合意し、無事復帰を果たしました。

2024-25シーズン、3月11日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦でキャリアハイとなる26得点を記録しました。

プレースタイル

ペイトン2世は、高い身体能力を生かしたディフェンスと、機動力を生かしたオフェンスが持ち味です。特に、相手のポイントガードを抑え込むディフェンス力は高く評価されています。また、リバウンドやルーズボールへの意識も高く、チームに貢献する姿勢も評価されています。

家族

ペイトン2世には4人の兄弟がおり、その中に「ゲイリー・ペイトン・ジュニア」という兄がいます。そのため自身は「ゲイリー・ペイトン2世」と名付けられました。

背番号については、父親の番号という事もあって背番号20を避けており、多くのチームで背番号0を選んでいます。なお、ウィザーズで20を着けていた理由は「既に20のユニフォームが用意されていて断れなかったから」との事です。

オレゴン州立大学では背番号1を着けていました。父親も息子の応援のため度々観戦に訪れていましたが、2世にとって大学最後のホームゲームとなるワシントン州立大学戦でサプライズとして背番号20のユニフォームで登場し観客を驚かせました。

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