ゲオルギオス・パパドプロス

ゲオルギオス・パパドプロス：ギリシャ軍事政権の指導者

ゲオルギオス・パパドプロス（1919年5月5日 - 1999年6月27日）は、ギリシャの政治家、軍人であり、1967年のクーデターを主導し、1974年まで続いたギリシャ軍事政権の指導者でした。

生涯

パパドプロスは1919年、ペロポネソス半島のアカイアで生まれました。父は教師であり、彼には兄弟がいました。ギリシャ陸軍士官学校を卒業後、1940年に軍に入隊しました。

第二次世界大戦中、ギリシャは枢軸国の占領下に置かれました。パパドプロスは反共主義者であり、ギリシャ共産党（KKE）が主導するレジスタンス運動には参加せず、傀儡政権下で反ELAS部隊を率いてELASと戦いました。

戦後、ギリシャ内戦（1946年 - 1949年）では軍法会議のメンバーを務め、共産党指導者に死刑判決を下しました。1959年から1964年まで軍の情報機関に勤務し、1956年にはクーデター計画に関与しましたが、未遂に終わりました。

1967年のクーデター

1967年4月21日、大佐だったパパドプロスはクーデターを決行し、ギリシャを軍事政権下に置きました。彼は全ての政党を解散させ、主要な政治家を拘束し、自らは総務長官として権力を掌握しました。当初クーデターを追認したコンスタンティノス国王も、後にパパドプロスの専横に反発し国外へ脱出、パパドプロスは自ら首相となり、独裁体制を確立しました。

独裁体制の強化と崩壊

パパドプロスは、反対勢力への弾圧を強化し、言論統制を行いました。1973年には共和制に移行し、自ら大統領に就任しましたが、同年11月のアテネ工科大学での学生蜂起を武力鎮圧したことがきっかけとなり、軍内部からも反発を招き、11月25日にディミトリス・イオニアデスのクーデターにより失脚しました。

その後、成立した軍事政権も1974年に崩壊し、民主化の過程でパパドプロスは反逆罪で死刑判決を受けましたが、後に終身刑に減刑されました。彼は恩赦を拒否し、1999年に獄中で死去しました。

パパドプロスの軍事政権は、ギリシャの民主主義を抑圧し、多くの人々に苦しみを与えたとして、現代ギリシャ史における負の遺産として記憶されています。一方で、彼を支持する人々も存在し、彼らは国家政治連合（EPEN）を結成しましたが、現在は解散しています。

また、パパドプロスはCIAとのつながりがあったとも言われており、冷戦期の米ソ対立の中で、ギリシャ軍事政権はアメリカの支援を受けていました。

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