ゲオルギー・ミハイロヴィチ (1863-1919)

ゲオルギー・ミハイロヴィチの生涯

ゲオルギー・ミハイロヴィチ（1863年8月23日 - 1919年1月28日）は、ロシアの皇族で、ニコライ1世の孫にあたります。彼はロシア大公の称号を持ち、ミハイル・ニコラエヴィチ大公とオリガ・フョードロヴナ大公妃の間に生まれた三男です。彼の一生は、王族としての役割や戦争、そして悲劇的な最期に彩られています。

第一次世界大戦とその後の運命

ゲオルギーは、第一次世界大戦中にロシア軍の司令官として従軍しました。戦争の最中、彼は数々の戦闘に参加し、軍人としての経験を積んでいきますが、戦争の終結とともにロシアの社会情勢は急速に変化しました。1919年1月28日、彼はペトログラードで兄のニコライ・ミハイロヴィチ大公や従兄のパーヴェル・アレクサンドロヴィチ大公、ドミトリー・コンスタンチノヴィチ大公とともに、悲劇的な運命を迎えました。銃殺刑にされることとなったのです。この時、彼の弟であるセルゲイ・ミハイロヴィチも前年に銃殺されており、彼の家族は次々と困難な状況に直面していました。

家族とプライベートライフ

ゲオルギーは1900年にギリシア王ゲオルギオス1世の娘、マリア（マリア・ゲオルギエヴナ）と結婚し、二人の娘をもうけました。長女のニーナ（1901年 - 1974年）と次女のクセニヤ（1903年 - 1965年）は、彼にとっての大切な家族となりました。第一次世界大戦中、妻と娘たちはイギリスに滞在していたため、ロシア国内の混乱や革命の影響を受けることはありませんでした。

日本との関係

ゲオルギー・ミハイロヴィチは、1916年1月に日本を訪れたロシアの皇族です。彼は当時の皇帝ニコライ二世の名代として日本を訪れ、その際の役職は一等侍従武官でした。この訪問は、日露戦争以降、ロシア皇族が日本を正式に訪問する初めての機会となりました。

訪問の目的は、前年に即位した大正天皇への祝賀と、ロシアへの日本の軍事及び経済的援助に対する感謝の意を示すものでした。ゲオルギーは1915年12月28日にシベリア鉄道を利用してロシアを発ち、東京では天皇自らが歓迎しました。滞在期間中、ロシア陸軍に対する軍備供与についての合意が交わされ、1916年7月にはペトログラードで第四次日露協約が締結されました。

この訪問ののち、同年9月には天皇がゲオルギーの従兄弟である閑院宮載仁親王をロシアに派遣しました。ゲオルギーは親王をモスクワで出迎え、皇帝の大本営であるモギリョフまで同行しました。駅では礼砲が打たれ、皇帝や皇太子、高官たちが一同を迎えました。その後、親王が皇太后マリア・フョードロヴナに会うためキエフへ向かう際にも同行し、ゲオルギーの弟たちが出迎えるなど、彼の日本との関係は深いものでした。

まとめ

ゲオルギー・ミハイロヴィチの生涯は、王族としての責任と第一次世界大戦での軍人としての役割が交錯したものです。彼の歴史的な訪日や、悲劇的な最期は、ロシアの皇族の一員としての彼の生涯を際立たせています。彼がもたらした影響や、その背景には時代の変革があったことを忘れてはならないでしょう。

もう一度検索