ゲゲゲの鬼太郎 大海獣

映画『ゲゲゲの鬼太郎 大海獣』の概要

『ゲゲゲの鬼太郎 大海獣』は、1996年7月6日に公開された東映アニメフェアの一部で、第四期テレビシリーズの劇場版第1弾です。本作は、1967年に『週刊少年マガジン』に掲載された「大海獣」を原作にしつつ、第3シリーズの劇場版の要素も取り入れられています。アニメーションはカラーで、上映時間は約50分です。

ストーリーの背景

物語は、暑い夏の日に始まります。鬼太郎の元に手紙が届き、その差出人は川村メグミという少女。彼女は父親が植物学者で、ニューギニアのバルル島で行方不明となったことを鬼太郎に告げます。この手紙を受けて、鬼太郎親子は一反もめんと共にバルル島へ渡りますが、そこで村人から日本人失踪事件の真相を聞くことになります。

鬼太郎たちは、ジャングルでキジムナーに出会い戦うも、アカマタという妖怪に妖気を奪われ、捕らえられてしまいます。南方妖怪たちが命の水を利用して金儲けを企むことで、日本人の健康ブームに対する怒りが描かれています。鬼太郎はその後、命の水を無理やり飲まされ、大海獣に変身してしまいます。これにより、彼は東京に上陸し、大混乱を引き起こします。

鬼太郎の戦いと仲間たち

鬼太郎を助けるため、目玉おやじたちは薬草を探す旅に出ますが、宅地開発の影響で薬草は見つかりません。そこで駆けつけたねこ娘は、鬼太郎が東京で暴れていることを伝えますが、鬼太郎は大海獣の姿であるため、仲間たちに自分だと気づかれません。自衛隊の攻撃を受けて海に逃げ込んだ鬼太郎は、シロナガスクジラたちに助けられ、心身の回復に努めます。

日出山でなんとか薬草を見つけることに成功した一行ですが、一方で南方妖怪たちは日本本土への攻撃を開始。鬼太郎は自らの姿の強力さを理解しつつも、無力感を抱くことになります。ここで、目玉おやじたちが鬼太郎の復活方法を見つけ、彼は元の姿に戻ることができるのです。

鬼太郎の成長と和解

元に戻った鬼太郎は、再び南方妖怪たちと戦いますが、その中で彼らが単なる敵ではなく、日本人の横暴に対する被害者であることも理解します。最終的には、鬼太郎は妖怪たちとの和解を果たし、人間を助けてバルル島へ帰していくのです。これにより、鬼太郎と目玉おやじはまた親子の絆を深めることになります。

キャラクターたち

本作には、鬼太郎をはじめとして、目玉おやじ、ねずみ男、砂かけ婆、ねこ娘などのキャラクターが登場し、それぞれの個性が物語を彩ります。特に、南方妖怪たちのリーダーであるアカマタは、鬼太郎を大海獣に変身させる重要な役割を担っています。また、シロナガスクジラが登場することで、鬼太郎の成長が強調される場面も印象的です。

音楽とスタッフ

音楽は和田薫が担当し、オープニングテーマとエンディングテーマは憂歌団が歌っています。本作を制作したのは高岩淡や泊懋など、東映の数多くの有名なスタッフが中心です。特に、原作を水木しげるが務め、脚本は星山博之が執筆しています。

総じて、『ゲゲゲの鬼太郎 大海獣』は、冒険・友情・和解をテーマにした感動的な物語で、鬼太郎の成長を描いた作品となっています。

もう一度検索