ゲッツェンディーナー

ゲッツェンディーナー (GÖTZENDIENER)

『ゲッツェンディーナー』は、1994年11月25日にNECホームエレクトロニクスから発売されたPCエンジンSUPER CD-ROM²用のアクションロールプレイングゲームです。本作は、アニメーション制作スタジオであるガイナックスが手がけており、その開発はスタジオアレックスによって行われました。ゲームのキャラクターデザインは赤井孝美、シナリオは富一成が担当しており、独特の世界観を表現しています。

タイトルの由来

「ゲッツェンディーナー」はドイツ語で「偶像崇拝者」を意味し、ゲームのテーマに深く関わっています。偶像崇拝や神話的要素がストーリーに織り込まれていることで、プレイヤーに印象的な体験を提供します。

ゲーム概要

本作は元々、ゲーム誌『電撃PCエンジン』に連載された小説から発展した企画です。著者である菅浩江による連載は1994年2月号から7月号まで続き、連載終了後にゲームとしての制作が発表されました。この過程で小説の物語を基にしたゲームが開発されました。

ゲームは、当時としては珍しい第三者視点による斜め見下ろし型（クォータービュー）のレイアウトを採用しており、プレイヤーは視覚的な情報のみで物語を進めていかなければならないスタイルです。このユニークな手法により、ゲーム内のテキストが一切表示されず、キャラクターの台詞が音声で表現されることもありません。プレイヤーは画面上のグラフィックの変化に注目し、ストーリーを理解しながらゲームを進行します。

ストーリー

物語の中心には、魔神復活の生贄として絶海の孤島にある魔王の城に囚われたキシュ・リム・ミーサ姫がいます。彼女を救うために、一人の「勇者」が派遣され、貴宝珠（キシュ・テルマピクス）の剣を与えられます。しかし、勇者は多くの兵士たちと共に戦いを繰り広げるも全滅し、ただ一人だけ生き残った勇者も魔王と相討ちになり、倒れてしまいます。

意識を回復したミーサ姫は、彼らの死体を目にして状況を理解し、自らの力で城からの脱出を決意します。この物語の根底には、勇気や自己解決をテーマにしたメッセージが込められています。

スタッフ

本作の監督とメインプログラムを担当したのは富一成で、プロデューサー陣には沢村武伺、武田康広、松原文彦が名を連ねています。また、エグゼクティブプロデューサーとして安田清明が関わっており、ゲームのビジュアル部分では鈴木俊二が演出、赤井孝美がイラストを手がけました。

評価

ゲームは、さまざまな媒体で評価が分かれており、ゲーム誌「ファミコン通信」では22点（満40点）、また「電撃PCエンジン」では平均53.75点（満100点）の評価を得ています。さらに、「PC Engine FAN」の読者投票では19.1点という評価も示しています。また、「電脳世界のひみつ基地」の松田は、グラフィックについて高評価を寄せつつも、説明不足な部分もあると指摘しています。

関連作品

本作に基づいた書籍として、菅浩江著の『不屈の女神 ゲッツェンディーナー』が1995年に刊行されており、ゲームの世界観をより深く探求する材料としてファンに支持されています。

ゲームの発売以来、多くのプレイヤーに記憶されている『ゲッツェンディーナー』は、現代においてもその独自のスタイルと物語性で注目され続けています。

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