ゲリラ闘争

ゲリラ闘争とは

ゲリラ闘争とは、日本の新左翼が1970年代以降に行ったとされる武力闘争に対する呼称です。元々「ゲリラ（guerrilla）」とは、スペイン語で「小戦争」を意味し、正規軍同士が正面から激突する会戦とは異なり、少人数で神出鬼没に活動し、奇襲や撹乱工作を行う戦術を指します。

新左翼運動とゲリラ闘争

1970年代に入り、新左翼運動が行き詰まりを見せる中、従来のデモや暴動といった大衆闘争に加えて、標的施設への放火や爆破、個人に対する殺傷などのテロ活動、いわゆる「ゲリラ闘争」が展開されるようになりました。1990年代までは、三里塚闘争や反皇室闘争に関連した「ゲリラ」事件が頻発しました。

しかし、ソビエト連邦の崩壊に伴い新左翼運動が衰退し、組織温存のために再び大衆闘争路線に回帰しました。新左翼党派は、一連の活動を「国家権力に対する戦争」と認識しており、「テロ」という言葉には「反社会的行為」というニュアンスが強いことから、これらの活動を「ゲリラ」と呼び、「テロ」と称することはありません。

警察用語としてのゲリラ闘争

日本の警察庁が発行する警察白書では、施設などを攻撃する対物テロを「ゲリラ」、個人を標的とする対人テロを「テロ」と区分しています。ただし、事件の中にはどちらに該当するか区分が難しいケース（例：警視庁独身寮爆破事件）もあり、一般国民に対する広報では、「テロ・ゲリラ」と一括して取り扱われることが一般的です。

まとめ

ゲリラ闘争は、新左翼運動の過激化によって生まれた武力闘争の一形態であり、テロ活動と深く結びついています。警察庁の用語区分と新左翼の認識にはずれがあるものの、社会に大きな影響を与えた出来事として記憶されています。

関連情報

迫撃弾: ゲリラ闘争で使用された可能性のある兵器

参考文献

『現代用語の基礎知識（1975年版）』自由国民社、1975年
警察大学校編『警察学論集』1989年5月号
『知恵蔵（1990年版）』朝日新聞社、1990年

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