ゲルト・アルブレヒト

ゲルト・アルブレヒト

ゲルト・アルブレヒト（Gerd Albrecht, 1935年7月19日 - 2014年2月2日）は、ドイツの著名な指揮者です。

人物・来歴

略歴

アルブレヒトは、1957年にブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、その才能を世界に示しました。その後、以下の主要なポストを歴任しました。

1966年 - 1972年: カッセル国立劇場 音楽総監督
1975年 - 1980年: チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 首席指揮者
1988年 - 1997年: ハンブルク州立歌劇場 音楽総監督
1993年 - 1996年: チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 首席指揮者
* 1998年 - 2007年: 読売日本交響楽団 常任指揮者

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団では、外国人として初めて首席指揮者に就任しましたが、楽団との間に様々な問題が生じ、わずか3年で辞任しました。その後も客演指揮者として度々復帰しています。

2014年2月2日、ベルリン市内の自宅で逝去。78歳でした。

演奏とレパートリー

アルブレヒトは、「ベートーヴェンばかりを演奏するようなことがあってはならない」という信念を持っていました。そのため、近代音楽や現代音楽、あるいは演奏機会の少ない作品を積極的に取り上げる傾向がありました。しかし、ベートーヴェンも結果的には何度も演奏しています。オペラの経験が長く、合唱を伴う楽曲においては、その才能を最大限に発揮し、立体的な響きを生み出していました。彼の指揮法は、徹底した上げ打点を用いることで知られています。

日本とのかかわり

1982年2月、NHK交響楽団の招聘により初めて日本を訪れました。1996年5月には、ハンブルク州立歌劇場の日本公演で再来日しています。

1997年12月に読売日本交響楽団と初めて共演し、翌1998年4月には同団の第7代常任指揮者に就任しました。在任中は、現代音楽やオペラに積極的に取り組み、「日本人若手作曲家委嘱シリーズ」を開始しました。また、グルリットの歌劇「ヴォツェック」の日本初演、ヘンツェの歌劇「午後の曳航」の世界初演、ヤナーチェクの歌劇「運命」の日本初演、読響創立40周年記念公演としてワーグナーの舞台神聖祝典劇「パルジファル」(舞台上演)および楽劇「ワルキューレ」第1幕(演奏会形式)など、革新的な公演を次々と実現させました。グルリット「ヴォツェック」公演では、2000年度文化庁芸術祭優秀賞を受賞しています。

2000年と2003年にはヨーロッパ演奏旅行を実施し、オクタヴィアレコードにベートーヴェンとブラームスの交響曲全集をセッション録音しました。2007年3月に3期9年の任期を終え、読売日本交響楽団の常任指揮者を退任し、同団から桂冠指揮者の称号を授与されました。その後も、2008年7月、2011年2月、2012年6月に同団と共演しています。

アルブレヒトは、日本の音楽界に多大な貢献を果たしました。

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