ゲンナジー・ストレカロフ

ゲンナジー・ストレカロフ：宇宙開発に捧げた生涯

ゲンナジー・ミハイロヴィチ・ストレカロフ（Gennadi Mikhailovich Strekalov、ロシア語表記: Геннадий Михайлович Стрекалов、1940年10月26日 - 2004年12月25日）は、ソビエト連邦およびロシア連邦の宇宙飛行士であり、S.P.コロリョフ ロケット&スペース コーポレーション エネルギアの部門長を務めた人物です。

生涯と業績

ストレカロフは、1940年にモスクワ近郊のムィティシで生まれ、1965年にN.E.ボーマン・モスクワ高等技術学校で工学の学位を取得しました。その後、S.P.コロリョフ ロケット&スペース コーポレーション エネルギアに入社し、宇宙技術の研究・開発に携わりました。彼は、宇宙ステーション「エンタープライズ」に関連する機器の開発や、ロシア科学アカデミーの科学実験衛星の運用にも貢献しました。

彼の宇宙飛行士としてのキャリアは、1974年1月にソユーズのフライトエンジニアとしての訓練を開始したことから始まりました。1976年にはソユーズ22号ミッションのバックアップクルーを務めました。その後、サリュート宇宙ステーションへの長期滞在訓練を経て、1980年11月にソユーズT-3で初の宇宙飛行を経験しました。

ストレカロフは生涯で4度の宇宙飛行を経験し、宇宙ステーション「サリュート6号」、「サリュート7号」、「ミール」に滞在しました。その間、さまざまな科学実験や宇宙技術の開発に携わりました。

ソユーズT-3 (1980年): 初めての宇宙飛行。サリュート6号とのドッキングに成功。
ソユーズT-8 (1983年): サリュート7号への長期滞在ミッション。
ソユーズT-10-1 (1983年): ブースターロケットの炎上事故に遭遇。脱出システムが作動し、九死に一生を得る。
ソユーズT-11 (1984年): ソ連・インド合同ミッション。サリュート7号に滞在。
ソユーズTM-10 (1990年): ミールへの飛行。秋山豊寛氏が搭乗。
ソユーズTM-21 (1995年): ミールEO-18/STS-71ミッションに参加。

1983年6月には、ソユーズT-10-1の打ち上げ時にブースターロケットが炎上する事故に遭遇しましたが、緊急脱出システムが作動し、機長のウラジーミル・チトフとともに生還しました。この事故は、宇宙開発の危険性と、緊急脱出システムの重要性を改めて認識させる出来事となりました。

彼の功績は高く評価され、1980年と1984年の2度にわたりソ連邦英雄を受章し、3度のレーニン勲章を受章しました。1984年にはインドのアショカ・チャクラ賞も受賞しています。

2004年12月25日、ストレカロフは癌のためモスクワで亡くなりました。64歳でした。

ゲンナジー・ストレカロフは、ソ連・ロシアの宇宙開発に大きく貢献した人物として、その名が永く記憶されることでしょう。

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