STS-71

STS-71：スペースシャトル、ミールとの初のドッキング

STS-71は、1995年6月27日に打ち上げられたスペースシャトルアトランティスによるミッションであり、アメリカ合衆国とロシアの宇宙開発協力における画期的な出来事でした。このミッションの最大のハイライトは、スペースシャトルが初めてロシアの宇宙ステーションミールとドッキングしたことです。

ミッションの目的

主な目的は以下の通りでした。

ミールとのドッキング: スペースシャトルとミールがランデブーし、初のドッキングを成功させること。これは、20年間で初となるアメリカとロシアの宇宙船同士のドッキングでした。
乗組員の交代: ミールに長期滞在していたミール18の乗組員と、新たに到着するミール19の乗組員を交代させること。
共同実験: スペースラブモジュールを使用し、アメリカとロシアの乗組員が共同で生物学実験などを行うこと。
物資の輸送: ミールへ補給品を輸送すること。
ノーマン・サガードの帰還: ミールに滞在していたノーマン・サガードを地球に帰還させること。

ミッションの詳細

アトランティスは、フロリダ州のケネディ宇宙センター第39発射施設から打ち上げられました。ミールへの接近は慎重に進められ、6月29日にドッキングが完了しました。この時、アトランティスとミールは、質量約225トンという、当時軌道上で最大の宇宙船となりました。

ドッキング後、両宇宙船のハッチが開き、STS-71の乗組員がミールに入り、歓迎セレモニーが行われました。その後、約5日間にわたり、両国の乗組員は共同で様々な活動を行いました。スペースラブモジュールでは、心臓血管機能、ヒトの代謝、神経科学など、7つの分野で15の生物医学実験が実施されました。また、ミールへの物資の輸送や、ミールからのサンプル回収も行われました。

7月4日、アトランティスはミールとのドッキングを解除し、地球への帰還を開始しました。帰還時の乗組員は8名で、スペースシャトルの歴史の中で最多となりました。

ミッションの意義

STS-71は、アメリカとロシアの宇宙開発協力における重要な一歩となりました。スペースシャトルと宇宙ステーションのドッキング、乗組員の交代、共同実験の実施など、その後の国際宇宙ステーション(ISS)計画へと繋がる多くの実績を残しました。また、このミッションは、ケープ・カナベラルからの100回目の有人打ち上げという、アメリカの宇宙開発におけるマイルストーンでもありました。

乗組員

ロバート・ギブソン（船長）
チャールズ・プリコート（操縦士）
エレン・ベイカー（ミッションスペシャリスト1）
グレゴリー・ハーボー（ミッションスペシャリスト2）
ボニー・J・ダンバー（ミッションスペシャリスト3）
アナトリー・ソロフィエフ（ミッションスペシャリスト4、打上げ時）
ニコライ・ブダーリン（ミッションスペシャリスト5、打上げ時）
ゲンナジー・ストレカロフ（ミッションスペシャリスト4、帰還時）
ウラジーミル・デジュロフ（ミッションスペシャリスト5、帰還時）
ノーマン・サガード（ミッションスペシャリスト6、帰還時）

ハイライト

スペースシャトルとミールの初のドッキング
アメリカとロシアによる共同の生物学実験
ミールへの補給品の輸送
ノーマン・サガードの帰還
IMAXカメラでの撮影
* アマチュア無線の実験

まとめ

STS-71は、宇宙開発における国際協力の可能性を示し、その後のISS計画の礎を築いた、歴史的なミッションと言えるでしょう。

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