ゲームグラフィックス

ゲームグラフィックス（Game Graphix）

『ゲームグラフィックス』は、大日本絵画が1986年5月から1991年3月までの間、隔月で発行していたゲーム専門誌で、通巻30号に渡りました。略称は『G.G』または『ゲーグラ』です。この雑誌は、特にボードゲームやウォーシミュレーションゲームを中心に、アナログゲームの全般を特集しました。

雑誌の特徴

創刊当初は電子ゲームやダーツ、スロットレーシングなど、多種多様なゲームに関する記事を掲載していたため、初期の『ゲームグラフィックス』はかなり幅広いジャンルの玩具やゲームに関する総合誌の体をなしていました。しかし、時が経つにつれて、読者参加型ゲームやテーブルトークRPG（TRPG）がメインのテーマとなりました。この変化は、雑誌の主な読者層がより熱心なゲーマーへとシフトしたことを反映しています。

また、雑誌の名の通り、視覚的な編集にこだわり、写真やイラストが豊富に使用されていたことが特徴であり、特にメタルフィギュアを用いるファンタジー系のジオラマ写真が多く掲載されました。これにより、読者は視覚的な楽しみとともに、ゲームの内容をより深く理解できるようになっていました。

読者参加型ゲームの魅力

『ゲームグラフィックス』では、特に読者参加型ゲームが注目されていました。これらのゲームは、レースや戦争など多様なテーマを扱い、ファンの間で非常に人気を博しました。一般的な雑誌では読者参加型ゲームはおまけとして扱われることが多いですが、本誌ではその中心的な位置を占めていました。これにより、読者は単なる参加者としてではなく、ゲームの世界を創り上げる一員としての役割を持つことができ、多くの熱心な支持を得ることとなりました。

特に『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ』のサポート記事や、『ガンダムセンチネルRPG』の特集は人気を集め、TRPGに興味を持つ多くの読者を惹きつけました。さらに、読者からの投稿で構成されたコーナーや特集も盛況であり、特に『Chaosの館』は、そのユニークなテーマで多くのファンに愛されました。

付録ゲームとその種類

本誌では、毎号魅力的な付録ゲームも提供されました。その中には、怪獣迎撃をテーマにした『八岐大蛇之逆襲』や、ファンタジーRPGの『魔獣使いの迷宮』、さらにはF1レースを題材にした『F-1グランプリ IN JAPAN』など、様々なジャンルのゲームが含まれていました。これにより、誌面だけでなく、実際にプレイできるゲーム体験が提供され、読者はより雑誌への愛着を深めることができました。

代表的な読者参加型ゲーム

特に注目されたのは、『イングリッズ・レース』や『フィクショナル・トルーパーズ』といった作品です。これらのゲームでは、プレイヤーが自らキャラクターやマシンを設定し、他の参加者との交流を図る場が設けられました。読者たちは自分だけのキャラクターやストーリーを創造し、それが公認の世界観として認められることも多く、このプロセスがファンの間で強い共感を呼びました。

『イングリッズ・レース』では、未来のカーレースに参加するために自ら設計した車両を使った戦いが展開され、対戦相手を攻撃することもルールの一部となっていました。これにより、単なるスピード勝負だけでなく、戦略的な要素も求められる魅力あるゲーム体験が提供されました。

最後に

以上のように、『ゲームグラフィックス』はアナログゲームやTRPGの魅力を広め、読者参加型ゲームという新しい形の遊びを提供した重要な雑誌です。その編集方針や読者とのインタラクションのスタイルは、当時の日本のゲーム文化に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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